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私と音楽 SavatageとQueensryche(サヴァタージとクイーンズライク)

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Hard Rock
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Queensryche(クイーンズライク)

次はQueensrycheです。
Queensrycheは1983年にEP『Queensrÿche』でデビューをしたアメリカ、シアトルのバンドです。
時期的にLAメタルが盛り上がり始めた頃なので私もよく混同しましたが、音楽性はLAメタルのバンドとはまったく違っていてNWOBHM(New Wave of British Heavy Metal)の影響を感じさせる音楽性でした。
ボーカルのジェフ・テイトがボーカリストとして非凡なパフォーマンスを魅せていましたし、バンドの力量も高かったのでデビュー時から市場の期待値が高かったのを覚えています。

初めてのフルアルバムの『The Warning』は個人的には期待外れでした。前評判は高いけど、大丈夫かなという想いで見てました。続く2作目の『Rage for Order』は実験的な要素を取り入れつつQueensrycheらしさがよく出ていたアルバムでした。
ただし、メイクや衣装が正統派のメタルバンド(ジーンズとブラックレザー)から奇抜なものに変わってしまい「大丈夫か、このバンドは」と心配したものでした。(笑)

Rage for Order

楽曲の出来に波があるアルバムでしたが、個人的には好印象で、このアルバムからQueensrycheへの期待が高まりました。
1988年にはメタル史上に残る名作『Operation:Mindcrime』を発表します。私はデビュー当時の期待をようやくわかりやすい形で作品にしてくれたなと思いました。
ちなみに『Operation:Mindcrime』は個人的に1988年のベストアルバムに選出しています。(笑)
『Operation:Mindcrime』は商業的にも大成功を収め、メタル界では一目を置かれる存在となりました。
1989年と1991年の来日公演に行ったのもよく覚えています。特に『Operation:Mindcrime』の完全再現をした1991年公演ですかね。記憶が曖昧なんですが、『Operation:Mindcrime』を再現した後に他のアルバムの曲も演奏して豪華なライブだったように覚えています。
この時のライブは『Operation:Livecrime』というタイトルで映像化もされています。この作品はレーザーディスクで購入しました。(笑)

Queensrycheが一般的にロックバンドとしての高い評価を得ることになったのは1990年発表の4作目『Empire』です。全米ではトリプルプラチナム、Billboardの総合アルバムチャートで7位まで躍進しました。
シングルでは”Silent Lucidity”がBillboardの総合チャートで9位まで上がりました。1992年のグラミー賞では「Best Rock Song and Best Rock Vocal Performance by a Duo or Group」部門にノミネートされましたが、ロック部門にメタル系のバンドがノミネートされるのは当時は異例のことでした。

ちなみにこれだけ大成功を収めた『Empire』ですが、私はいまひとつ好きになれませんでした。(笑)
『Operation:Mindcrime』がすごすぎたというのもありますが、Queensrycheには正統派のメタルバンドとしてJudas PriestやIron Maidenのような存在になって欲しかったという想いが強かったです。Queensrycheであれば偉大な2バンドのフォロワーではなく、オリジナリティーのあるバンドとして2バンドと対応の存在になれると思っていたんですよね。
『Empire』は正統派のメタルというよりも少し大人のロック的な要素も含まれていて、とても落ち着きのある洗練されたアルバムでした。
当時の私はまだ『Empire』の魅力に気がつくことは出来ず、ようやく良い作品だなと思えるようになったのはメタル以外の音楽を聴くようになった2000年以降です。

Queensrycheの歴史に話を戻しましょう。
大成功を収めたQueensrycheですが、残念ながら徐々に歯車が狂い始めます。
5作目の『Promised Land』はアルバム全体が暗い雰囲気で覆われていて今でも好きではありません。
6作目の『Hear In The Now Frontier』はグランジ寄りの音楽になってしまってさらに私は失望しました。
結局、『Operation:Mindcrime II』までは聴きましたが、『Operation:Mindcrime』はおろか、『Rage for Order』や『Empire』以上に好きになる作品はなく、私はQueensrycheを聴くことがなくなってしまいました。

Queensrycheは今でも活動をしていますが、クリス・デガーモとジェフ・テイトが脱退をした時期もあります。
現在は二人ともいない状態で活動をしているようですね。
今でもバンドに残っているのはギターのマイケル・ウィルトン、ベースのエディ・ジャクソン、ドラムのスコット・ロッケンフィールドですね。
Queensrycheはチームワークが良く、ライブも安定感があると定評のあるバンドだったので、常に献身的に貢献していたこの三人が残っているのは納得です。

今後、Queensrycheがどういう道を歩むのかわかりませんが、私が彼らの新しい作品を聴こうと思うにはもう少し時間が必要ですね。

Queensrycheの好きな曲

ちょっと湿っぽくなりました。
気を取り直して好きな曲を紹介していきます。

  • Take Hold of the Flame / The Warning
  • Gonna Get Close To You / Rage for Order
  • Revolution Calling / Operation:Mindcrime
  • Operation: Mindcrime / Operation:Mindcrime
  • Spreading The Disease / Operation:Mindcrime
  • The Mission / Operation:Mindcrime
  • Suite Sister Mary / Operation:Mindcrime
  • The Needle Lies / Operation:Mindcrime
  • Breaking The Silence / Operation:Mindcrime
  • I Don’t Believe In Love / Operation:Mindcrime
  • Eyes Of A Stranger / Operation:Mindcrime
  • Best I Can / Empire
  • Another Rainy Night (Without You) / Empire
  • Empire / Empire
  • Silent Lucidity / Empire

『The Warning』からは”Take Hold of the Flame”です。この曲はライブで聴いて好きになりました。自宅でスタジオ版を聴くよりもライブで聴くとはまるタイプの曲です。
『Rage for Order』からの”Gonna Get Close To You”はちょっと異色な曲です。当時流行だったデジタルエフェクトも多用していますしね。ただし、曲そのものはミドルテンポでメロディーがきれいな曲です。ギターワークも良いですし、個人的にはサビの大げさな盛り上げ方が好きですね。

『Operation:Mindcrime』は名作だけあってほぼすべての曲が好きです。(笑)
特筆するとすれば、”Breaking The Silence”、”I Don’t Believe In Love”、”Eyes Of A Stranger”の三曲ですね。
この三曲に関してはあまり語りたくはなくて、Queenの中でも最愛のアルバム『Queen II』の”The Fairy Feller’s Master-Stroke”〜”Nevermore”〜”March of the Black Queen”〜”Funny How Love is”の流れと同じくらい好きです。
あくまでも私見ですが、ここまで完成されたメタル楽曲の流れはなかなか聴くことができないと思っています。
曲の完成度だけではなく、ボーカルも演奏も素晴らしいですしね。

『Empire』からは4曲を選びました。もっとも好きなのは言うまでもなく”Silent Lucidity”で、当時からこの曲はQueensrycheの中でも一番好きな曲でした。
『Operation:Mindcrime』からの曲を含めてもこの曲が私にとっては一番ですね。
曲が良いのは当然ですが、ジェフ・テイトのボーカルが一番映える曲だと思います。
前述の通り、『Empire』は長らくなかなか良さを理解できないアルバムでしたが、2000年以降にようやく良いなと思うようになったのが”Another Rainy Night (Without You)”です。
今になって思うと『Operation:Mindcrime』に入っていてもおかしくない曲なんですが、当時は何故か受け入れることが出来ませんでした。
次いで好きになったのは”Best I Can”と”Empire”です。いまでは”Jet City Woman”なんかも好きになりました。

Queensrycheのまとめ

こうしてQueensrycheの歴史を振り返ってみると唯一無二のいいバンドだなと思いつつも、『Empire』で大成功を手にした後にいろんな不幸が重なったのが残念で仕方がないですね。
もちろん『Empire』以降もいい作品は残していますし、現役で活躍をしていますが、個人的にはクリスとジェフがいる状態で活動して欲しかったです。この二人がQueensrycheというバンドの核でしたからね。

Queensrycheの魅力はなんと言ってもジェフ・テイトのボーカルです。高域も低域もよく出ますし、表現力も豊か。冷たい歌い方も熱い表現もうまいです。
メタル界にうまいボーカルは数多くいますが、ロブ・ハルフォードやブルース・ディッキンソンといった正統派と渡り合える数少ないボーカリストがジェフ・テイトだと思っています。
Heavy Metal版ライブエイドとも言える「Hear ‘n Aid」というプロジェクトがあって、まだそれほど有名ではない頃にQueensrycheのメンバーも参加しているんですが、そこでジェフが見せた貫禄のパフォーマンスが好きでした。
下の動画の1分40秒あたりでジェフが登場します。

演奏陣についてはとにかくチームワークが良いという印象があります。前述の通り、ベースとドラムのリズム隊はタイトで安定してますし、二人のギタリストはお互いにリズムとソロをうまく分け合っています。
ギターに関してはソロも良いのですが、ツインリードが奏でるメロディーも秀逸です。このツインリードも伝統的なブリティッシュハードロックの流れをうまく取り入れてるなと思います。

楽曲については正統派のメタルという印象が強いです。
『Rage for Order』は実験的なアルバムなので除外するとして、EPの『Queensryche』から『Operation:Mindcrime』まではNWOBHM(New Wave of British Heavy Metal)の流れを汲みつつも独自の音楽性を確立していたと思います。

『Empire』は少し特殊で、今までやってきたことをベースにシアトルのバンドらしい暗さや憂いをうまく表現したんじゃないかなと思います。
2000年以降にようやく『Empire』の良さがわかったと書きましたが、実は2000年前後に数ヶ月ほどシアトルに滞在していたことがあります。
この時にSpace Needle(シアトルの中心にある塔)を眺めながら『Empire』を聴いたらすごくはまったんですね。
この時にその土地で生まれた音楽は、その土地で聴くと違った味わいがあると感じるようになりました。
日本からQueensrycheを聴いているときはLAメタルのバンドと同じような感覚で聴いていたんですが、シアトルを含め、ワシントン州は北米の中でも年間雨量が多く、常にじめっとした雰囲気がある土地柄なんですよね。
『Empire』はそういった風土が生み出したバンドの名作なんだなと言うことが理解できたわけです。

Queensrycheはプログレメタルという枠で語られることも多いバンドです。
私にとってはSavatageと同じように、あくまでもメタルというジャンルの中で、曲の展開を複雑にしたり、凝った構成にしているので、プログレという印象はあまりないです。

まとめ

SavatageとQueensrycheについて書きました。
この2バンドは私がもっとも好きなメタルのコンセプトアルバムを作ったので同じ記事にしてみました。
この記事を書くのに改めて2枚とも聴いてみましたが、やはり『Operation:Mindcrime』の完成度はすごいなと思いました。(笑)
ただ、『”Streets” A Rock Opera』も非常に良い作品なので多くの方に聴いて欲しい一枚です。
『Operation:Mindcrime』が全曲90点以上とするならば、『”Streets” A Rock Opera』は平均80点の曲の中に100点満点の曲が1曲あるという感じです。

今回は以上です。

以下の記事もあわせて参考にしてくださいませ。

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コメント

  1. 坂根輝也 より:

    いつも音楽のご趣味の広さに驚かされます。
    そして楽しく開設されているので読んでるこちらも聴きたくなりますね。

    お返事ありがとうございます。
    今、この文面を書きながらシカゴのサタデーインザパークから何故かハードなナンバー、スコーピオンズのRaised On Rockに移行して視聴サーフィンしております。

    リフィットから戻ってきた11pro はロックを聴くにはもってこいのIEMだとつくづく感じます。

    カッコよくノリよく聴かせてくれる名器だと思います。今回の半年後の計画…IEM二機目購入までに現在のユニバーサルであるangie2とue900sを手放す予定です。

    10proもリモールドの予定です。二機目のIEMが先か後になるか不確定ですがこのまま行くとユニバーサルはse846のみになります。先日、書きましたシンディのライブ音源のシンバルを刻む音は後にse846で確認することが出来ました。聴覚は体調にもかなり左右されると自覚しました。

    どうしてもse846はリスニングとしてでなくモニターとして使用しがちになります。エアライト(カスタムイヤピース)をeイヤホンさんで制作してもらったのもありますがse846は手放せないと思います。好みの音とかでは無くですね。

    オーディオって永遠に自分の好きな音を探す旅なんじゃないかって思うことが良くあります。(笑)

    最高にいい言葉ですね。わたしもそう日々感じてます。時には最高の相棒であり時には厄介な存在です 苦笑

    HUMのコンデンサー搭載モデル、時間ギリギリの中で少しだけ聴きました。普段はeイヤホン秋葉原店のカスタム係の方に相談してることが多いのですが視聴に行く前に濃厚濃密でいえば…こんなのも…って感じで聞いていたので視聴機の候補に入れておりました。

    でも最後の2機(335dwはじめHUM)は半ば後ろ髪を引かれながら流して聴いてしまいました。その中でも335dwは衝撃的過ぎてHUMのコンデンサー搭載モデルの音がまったく印象に残ってません。。。もう少しゆっくり聴きたかったですが。

    脱線しましたがブログ読ませて頂きながらオーディオの話しを書いてしまいました。。。長文失礼しました。

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