amahikasです。
デスメタルその3はIn Flamesです。スラッシュメタルと同じでデスメタルは初期から聴いてました。どちらかというとオーソドックスなデスメタル(Morbid Angel、Deicide)よりもメロディックデスメタル(以降、『メロデス』と表記)が好きでした。この記事ではスウェーデンのIn Flamesを紹介します。
In Flames
In Flamesは先に紹介したEdge of Sanityなどと並んでスウェーデンのメロデスシーンを作り上げ、牽引したバンドのひとつです。
結成は1990年でギタリストのイェスパー・ストロムブラードが中心です。ボーカル、リードギター、リズムギター、ベース、ドラムの五人編成の期間が長いですが、メンバーチェンジは激しく、1999年頃にようやくメンバーが安定します。この辺は初期のアイアン・メイデンと似た経歴ですね。1994年にデビューアルバムの『Lunar Strain』をリリース。このアルバムは正式なボーカリストが見つかっていなかったため、いろんなボーカリストが参加しているという珍しい構成になってます。1995年にEPの『Subterranean』、1996年に2作目の『The Jester Race』をリリースします。この時期にボーカルとドラムの正式メンバーが見つかったもののメンバーチェンジは相変わらず続きました。1997年に3作目の『Whoracle』、1999年には4作目の『Colony』を発表します。『Whoracle』リリース後のツアーでは来日も果たしています。
1980年代や1990年代に活躍したメタルバンドの多くが解散をする中、In Flamesは順調に活動を続け、2000年に『Clayman』、2002年に『Reroute to Remain』、2004年に『Soundtrack to Your Escape』、2006年に『Come Clarity』、2008年に『A Sense of Purpose』、2011年に『Sounds of a Playground Fading』、2014年に『Siren Charms』、2016年に『Battles』、2019年に『I, the Mask』をリリースしています。前述の通り、解散や再結成、活動休止をするバンドが多い中にあって尊敬に値する活動歴です。In Flamesのリーダーを務めながらいくつかのサイドプロジェクトにも参加していたイェスパー・ストロムブラードですが、2009年にアルコールと私生活の問題を理由にツアーを離脱。そのまま2010年2月に復帰することなくバンドを脱退します。また、音楽活動も控えていて、In Flames脱退後は他のバンドの作品にギターの演奏で参加するくらいで目立った活動はしていません。長いことIn Flamesの中心人物だったイェスパーの代わりを務めているのはギターのビョーン・イエロッテです。1995年にドラムとして加入し、4作目からギターに転向、3作目からほぼすべての作曲に携わっています。もう一人はボーカルのアンダース・フリーデンです。アンダーズも1995年加入でDark Tranquillityの初代ボーカルでもあります。
イェスパーの離脱は非常に残念ですが、Edge of Sanityのように短期間でバンドが解散したり、Deathのように中心人物が死亡してバンドが消滅することに比べたらバンドもファンも幸せじゃないかと思います。
In Flamesの好きなアルバム
In Flamesも他のバンドと一緒で1990年代後半にメタルを聴かなくなった期間があるため、『Colony』までしか聴いてません。以下が、In Flamesの所有しているアルバムです。
- Lunar Strain (1994年)
- The Jester Race (1995年)
- Whoracle(1997年)
- Colony (1999年)
In Flamesはわりと平均して好きなので特別に好きなアルバムはありません。逆に言うと駄作がなく曲作りのクオリティーが常に高い良質なバンドと言えます。お薦めのアルバムをあえて選ぶとしたら『Colony』→『Whoracle』→『Lunar Strain』→『The Jester Race』の順番になります。やっぱり比べてしまうと四枚目の『Colony』よりも一枚目の『Lunar Strain』は全体的に作りが粗いです。1995年からボーカルがアンダースになって声が安定するのも大きいです。ただ、『Lunar Strain』はヴァイオリニストがゲスト参加してるので他のアルバムとは違った魅力があります。『Lunar Strain』を買おうと思った動機も「北欧、メロデス、ヴァイオリンの組合せが悪いわけない」と思ったからです(笑)
In Flamesの好きな曲
次に好きな曲の紹介です。
- Starforsaken / Lunar Strain
- Stand Ablaze / Lunar Strain
- Wayfaerer / The Jester Race
- Episode 666 / Whoracle
- Embody the Invisible / Colony
- Clad in Shadows ’99 / Colony
- Man Made God / Colony
曲のほうも「すごく好き!」という曲は少なくて平均して好きなんですよね。
In Flamesの音楽的な特徴と魅力
これまで紹介してきたEdge of SanityとDeathに比べるとプログレ色は薄く、メロディーの比重が大きいです。ボーカルがデス声なのでデスメタルに分類されますが、楽器の演奏はデスメタルというよりもメロディアスなヘヴィーメタルに近いです。ギターのツインリードが奏でる美しいメロディーはJudas PriestやIron Maidenを想起させます。それくらい古典的なヘヴィーメタルのいい要素をうまくメロデスに取り込んでます。
安易にスピードに逃げることなくミドルテンポの曲が多いのも個人的には好感です。メロディーだけでなく、ギターリフの魅力で勝負をしているのは好感で、たたみかけるようなリフとグルーヴのあるリフをうまく使い分けてると思います。
デビュー作の『Lunar Strain』でヴァイオリンを使ったように採用する楽器も多岐に渡っています。アコースティックギター、シンセの使い方もうまいですし、クリーンボイスを使ったりもします。前述の通り、基本的に王道のヘヴィーメタルと暴力的なデスメタル、美しいメロディーの3つをうまく融合したのがIn Flamesの特徴ですが、たまに変化球を投げてくるときは意外な楽器をうまく使ってるなと感じます。
まとめ
In Flamesについて書きました。わかりやすくてクオリティーの高いバンドなので2000年発表の『Clayman』以降ももう少し長く聴いても良かったんですが、オルタナ色が強くなったと聞いて、CDを買うのを止めたのを覚えています。いまなら私の音楽的な幅も広がったので好きになるかもしれません。来年は未聴のアルバムを聴いてみようかと思います。
今回は以上です。
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