Queen + Adam Lambertの来日公演が終わって一息ついてるamahikasです。
クイーンロスになってる方も多いようですが、今回は比較的冷静に彼らを見ていたのと、多くの新規ファンの前で立派なパフォーマンスを魅せてくれたので安心したという気持ちのほうが強いです。
この記事では2018年公開の映画『ボヘミアン・ラプソディー』から続いた魔法のような日々を振り返ってみたいと思います。(途中でラグビーワールドカップ2019に夢中になっていたのは割愛します)
映画『ボヘミアン・ラプソディー』
ちょうど一年前になるんですね。2019年2月24日(現地時間)にアカデミー賞授賞式が行われました。
思えば、『ボヘミアン・ラプソディ』が公開されてからというもの、ブライアンとロジャーの動向を追いかけたり、俳優陣のインタビューを読みあさったり、海外も含めて視聴者の評判を見て回ったり、興行収入を日々チェックしたりと忙しくも楽しく過ごしました。アカデミー賞のレッドカーペットでブライアン役のグウィリム・リーやジョン役のジョゼフ・マゼロが「これでボラプボーイズ(*1)での活動が終わりと思うと寂しいけど、できるだけ長く続けたいしお互いにコンタクトをとっていきたい」という趣旨のことを述べていて俳優陣も同じ気持ちなんだとなんだか安心しました。
アカデミー賞が終わり、そんな生活ともお別れかなと思うと少し寂しいものがありましたが、各地で行われたQueen + Adam Lambertの『The Rhapsody Tour』の様子を確認していたのでなんだかんだでQueenに関する情報は途切れませんでした。
*1 「ボラプボーイズ」は映画『ボヘミアン・ラプソディ』でクイーンの4人を演じた4人の俳優の愛称です。海外でも”Bo Rhap Boys”と呼ばれているようですね。
獲得した主な賞
主要な賞の発表も終わったので、獲得した主な賞をまとめておきます。
ちなみに初めて映画『ボヘミアン・ラプソディ』を見た後の記事にも書いたように、私はこの映画がこんなにヒットするとも思ってませんでしたし、ましてや賞レースに絡むとも予想していませんでした。
フレディーが亡くなって20年が経過してもまだこれだけ楽しませてくれるのは本当にありがたいですし、ファンとしても誇りに思います。まさにMiracle以外の何物でもないですね。
第91回アカデミー賞
- 主演男優賞
- 編集賞
- 録音賞
- 音響編集賞
アカデミー賞は出来すぎでしたね(笑)
作品賞を含む5部門にノミネートされ、主演男優賞、編集賞、録音賞、音響編集賞の最多4冠を受賞しました。ノミネートされている賞をことごとく獲得するので期待していなかった作品賞もいけるんじゃないかと思ってしまいました(笑)
初めて『ボヘミアン・ラプソディ』を見終わってから書いたように最初に見た予告編がすごく良かったので、編集賞、録音賞、音響編集賞は獲得が出来て嬉しいです。こういった裏方がちゃんと評価されるのは本当に素晴らしいことですね。
主演男優賞のラミ・マレックも『ボヘミアン・ラプソディ』の中ではもっとも演技が優れていたと感じるので妥当な結果だと思います。ただし、他の映画をすべて観てませんし、私のようなクイーンマニアはどうしても贔屓目に見てしまうので、正当な評価は出来ないですね。
アカデミー賞といえば、オープニングでQueen + Adam Lambertが”We Will Rock You”と”We Are the Champions”を演奏しました。最後にはフレディーもスクリーンに大写しになり、私は興奮をするとともに涙ぐんでしまいました。パフォーマンスのほうはアダムが少し力みすぎでしたかね。特に”We Will Rock You”がいまひとつでした。もっと良いパフォーマンスをたくさん見てるので残念でした。しかし、アカデミー賞の舞台で良いパフォーマンスをするというのは難しいもので、2018年『グレイテスト・ショーマン』のキアラ・セトルのパフォーマンスもいまひとつでした。リハーサルは何度もやってるんでしょうけど難しいものなんでしょうね。しかし、2019年夏の北米ツアーに向けたいい宣伝になったと思います。
第76回ゴールデングローブ賞
- 作品賞(ドラマ部門)
- 主演男優賞(ドラマ部門)
ゴールデングローブ賞では作品賞も獲得しました。個人的には主演男優賞が獲れたらいいくらいに思っていたのでかなり驚きました。
ゴールデングローブ賞で作品賞と主演男優賞を獲ったことで確実にアカデミー賞でも戦えると確信しました。また、今年の賞争いはLADY GAGAが主演した『アリー スター誕生』のほうが優位と予想していたので、『アリー スター誕生』に持って行かれるかなと思っていましたが、ゴールデングローブ賞の結果を見て『アリー スター誕生』より優位に立ったと安心しました。
ちなみに『アリー スター誕生』ももちろん見に行きました。こちらもいい映画でしたが、エンディングがエンディングなのでそこまではまりませんでした。1976年版の映画を知っているので、結末がわかってたんですよね(笑)
第25回全米映画俳優組合賞
- 主演男優賞
アカデミー賞とゴールデングローブ賞の間に開催される全米俳優組合賞はもっともアカデミー賞に影響を与えると言われています。逆にゴールデングローブ賞はアカデミー賞と違う結果になることが多いので、全米俳優組合賞にも注目しました。
結果的にキャスト賞(作品賞に近い賞)を獲ることはできなくて、主演男優賞のみとなりました。この時点でアカデミー賞も主演男優賞だけだろうなと予想しました。
第72回英国アカデミー賞
- 主演男優賞
- 音響賞
意外と辛口なのがクイーンの母国である英国のアカデミー賞です(笑)
2冠にとどまりました。クイーンはイギリス王室とは仲が良いのですが、BBCといった組織とはあまり仲がよろしくないのでこういう結果だったのかもしれません。
興行収入
日本での興行収入
次に日本での興行収入を見て行きましょう。
2020年1月31日時点で131億円となっています。この数字は歴代17位で『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』『南極物語』なんかを超えています。自分が過去に見てきた名作や大作よりも上位に位置しているのがなんとも不思議な光景です。
詳細は以下を参照してください。
公開週から現在までの成績は以下から確認をすることが出来ます。
普段は映画の興行収入をチェックする習慣はないのですが、『ボヘミアン・ラプソディー』が公開されたから毎日のようにチェックしてました。世界的に見ても日本での成績が素晴らしく、通常ではありえない推移をしたようですね。ほとんどの映画は公開三週間くらいで全体の80%の収入を得るようですが、『ボヘミアン・ラプソディー』は11月上旬に公開されると12月上旬まで右肩上がりに推移しました。1月の中旬くらいまでピークとほぼ同じ興行収入を維持し、緩やかに下がっていきました。
私が何よりも嬉しかったのは映画が世界的に大ヒットをして世界的な賞を得たことよりも日本が世界的にもっとも盛り上がったということです。他の国と張り合うつもりはありませんが、Queenにとって日本のファンが特別であるのは周知の事実です。そういった中で映画がここまで長くヒットしたのは日本ファンとして誇りを感じました。他の国のファンから見ても「ああ、日本のファンはやっぱりすごいな」と感じたことでしょう。
海外での興行収入
2020年1月31日時点では全米に続いて日本が2位です。続いて韓国、英国となっています。
2018年に全米で公開された映画では12位、全米歴代だと182位の成績です。
2018年に公開された映画の世界での成績は6位で、世界の歴代では65位になっています。
大ヒットを振り返って
ここからは映画『ボヘミアン・ラプソディ』が大ヒットしたことによって私の感想や経験した事柄について書いていきたいと思います。
個人的な経験
映画『ボヘミアン・ラプソディ』のヒットは私にいろんな面白い経験をさせてくれました。
ひとつめは学生の頃の恩師がクイーンにはまったこと。すでに定年退職をしている恩師ですが、映画を観てえらく感動をしたそうです。クイーンの音楽をもっと聴きたいと図書館に行ったもののレンタル待ちが多すぎて途方に暮れたそうです(笑)たまたま奥様が日本のコンピレーション盤『ジュエルズ』を前に購入していたのでラジカセで聴いているとのことでした。ちなみにこの恩師は音楽はほとんど演歌しか聴かない方です。そんな人も魅了する力がクイーンの音楽にはあるんだなと驚きました。なお、演歌は良いけど、クイーンはラジカセで聴いても味気ないと申しておりました(笑)
10年以上前に一緒に仕事をした友人が『ボヘミアン・ラプソディ』は見たほうがいいと連絡をしてきました。この友人は今でも飲んだりする仲なんですが、お互いに音楽の話しをしたことがなかったですし、友人自身も音楽とはほぼ無縁です。むしろ私のほうが「誰にものを言ってんの?」とクイーンの魅力をたっぷりと伝えたんですが、ここでもクイーンの音楽の力と、クイーンの物語がこんなに感動的なんだと再認識しました。
学生時代の友人からも声がかかりました。叔母と友人が映画を観てとても感動し、クイーンに関する詳しい話しを聞きたいとのことで、宴席に呼ばれました(笑)
やはり色々と気になる点があるらしく、質問攻めに遭いましたが非常に楽しい時間でした。
ここに書いた以外にもいろんな人から「Queen好きだったよね?」「映画良かった」などを声をかけらました。こんな形でQueenが話題に上る日が来るのは信じられなかったですね。
Queenの音楽
映画がヒットした要因は複数あると思いますが、やはりもっとも重要だったのはQueenの音楽だと思います。日本ではありがたいことにテレビでQueenの楽曲が流れることが多いですし、知らないうちにQueenを聴いているのは間違いなく強みです。ロックバンドといっても比較的聴きやすくセックス、ドラッグ、アルコールといった従来のイメージとは異なる音楽性が広く受け入れられる最大の要因かと思います。曲作りにおいてもシンプルなメロディーを中心にしながらイントロやエンディングで凝った演出を加えたりするのもどこか他のロックバンドの差別化を図るのに成功しています。
2004年のテレビドラマ『プライド』でオープニングに使用された影響も大きいです。あの頃を日本における第二次クイーンブームと思っていますが、このブームがなければ今回の映画によるブームももう少し規模の小さいものになっていたと思います。2004年頃に下地がすでにできていていたというわけですね。
ストーリー
映画のストーリーには史実と異なる部分や順番が異なる箇所があるのは散々指摘されているとおりですが、すべては『ライブエイド』のパフォーマンスをエンディングに持ってくるための緻密な演出というのがわかります。私自身は一回目に見たときがもっとも違和感が合って落ち着いて見ることができませんでした。というのも史実と異なる部分が気になったからです。しかしブライアンとロジャーの口から「史実と違う箇所もあるけど、これは映画というエンターテイメント作品なんだから楽しんでくれ」という言葉も出てきていたので二回目以降は細かいことを気にせずに楽しめました。そして何度も見るうちに脚本や演出のうまさに感動するのでした。クイーンのこととなると割と単純です(笑)
最終的にはクイーンの音楽やバンドとしてのイデオロギーがよく表現されたストーリーだなと納得して見ることができました。批評家がいうようにエイズやフレディーの死というテーマをもっと掘り下げたストーリーにすることもできたでしょうが、そう言う作品は他の伝記物でも見ることができます。今回のストーリーのほうがクイーンらしいし、大ヒットにつながった要因でもあると思っています。
俳優の頑張り
クイーンの4人を演じたボラプボーイズに限らず、俳優の頑張りもヒットの要因になったと思います。外見については俳優によって差がありましたが、しゃべり方やクセはよく真似ていました。ステージ上でのパフォーマンスは完コピというほどではありませんが、特徴をよく捉えていたのとタイミングもしっかりとおさえてました。特にフレディーのステージ上の動きは特徴が有りますし、フレディーの身体能力がないと表現ができない箇所もあったと思います。観客の煽り方なんかもウザいくらいなんですけど(笑)、そこそこ表現できてましたね。
Queenメンバーの人物像
最後にヒットの要因となった要素を考えるとQueenのメンバーの人物像も大きく寄与したと思います。Queenが音楽的にも演奏面でもあの4人じゃなければ生まれなかった奇跡の組合せと思っていますが、性格的にもそれぞれに個性があって、その人物的な個性もバンドが結束するのに必要だったのでしょう。映画ではそれぞれの個性がよく表現されていてQueenの音楽だけでなくメンバーの人物像が見る人を惹きつけたのもヒットとなった大きな要因じゃないかと思います。音楽だけならこれまでと変わらないヒットで終わっていたでしょうが、コアなファンしか知らなかったそれぞれの個性をより広く知ってもらったのは個人的に嬉しかったです。そしてその人物像をしっかりと演じてくれた俳優陣がいなければ私はここまでこの映画を好きにならなかったでしょう。
次ページから2020年の来日公演について書きます。
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