Hanoi Rocksの好きなアルバム
ハノイ・ロックスは作品数も少ないので好きなアルバムは選びやすいです。
- Bangkok Shocks Saigon Shakes
- Oriental Beat
- Two Steps From The Move
- Twelve Shots On The Rocks
- Back To Mystery City
この5作品が好きなんですが、順序や優劣をつけるのはなかなか難しいです。
デビュー作の『Bangkok Shocks Saigon Shakes』と2作目の『Oriental Beat』はハノイ・ロックスを知る上で手っ取り早いアルバムです。ただし音質はそれほど良くないです。
アメリカ進出の前に発表された『Two Steps From The Move』は初期のハノイらしさが少し薄れてるものの楽曲の品質は高いですし、音質も良いです。
総合的に考えるともっとも聴きやすくて、入りやすいアルバムだと思います。
再結成後のアルバムは『Twelve Shots On The Rocks』が好きなんですが、『Street Poetry』も捨て難いです。
この2枚はどちらもお薦めですが、個人的にはマイケルとアンディが再び組んだということで『Twelve Shots On The Rocks』のほうが思い入れは強いです。
ハノイ・ロックスを知らない人であれば『Street Poetry』から聴いても問題ないと思います。
最後に『Back To Mystery City』を挙げました。
このアルバムは私が最初に聴いたということもあって思い入れが強いのですが、ハノイ・ロックスの他の作品を振り返って聴くと少し地味な印象は拭えません。
このアルバムの良いところはラズルが加入してドラムが多彩になったことだと思っているんですが、楽曲の質は初期も良いですし、『Two Steps From The Move』ではより洗練されていきます。
よって、どうしても中途半端という印象があります。
初期ハノイ・ロックスの完成形ととらえることも出来るんですが、完成される前の作品という捉え方もできるという、なんともモヤモヤする作品です。
これからハノイ・ロックスを聴く方には『Bangkok Shocks Saigon Shakes』と『Oriental Beat』をお薦めします。
音質が問題なら『Two Steps From The Move』か『Back To Mystery City』を聴いてみて欲しいです。
そしてひととおり、聴いた後で、『Twelve Shots On The Rocks』と『Street Poetry』を聴くのがいいかなと思います。
ハノイ・ロックスの魅力
ハノイ・ロックスをあえてジャンル分けするとロック、ハードロック、パンクロック少々という感じになるかなと思います。
私が同時期に聴いていたバンドたちに比べるとメタルやハードロック色は薄いです。
グラムロックに分類されることもありますね。見た目が派手だった時期もありますし、マイケル・モンローは名前だけでなく見た目も「ゴージャズなバンドマン」という感じなのでグラムロックに分類されるのもうなずけます。
私が魅力を感じているのはマイケルのボーカルとステージ上のパフォーマンス、アンディの不思議なギタープレーと作曲能力です。
マイケルのボーカルは哀愁がよく漂っていますが、元気で力強いボーカルもうまいです。割とどんなジャンルでもそつなくこなすんじゃないかと思いますが、本人は本当にロックやパンクロックが好きなんでしょうね。先輩に敬意を払うことも忘れませんし、見た目に反してこれまでやってきた音楽は頑固一徹と感じます。ぶれることがないです。
アンディ・マッコイのギターはどこか東洋っぽさを感じることがあります。まっすぐなマイケルに対してハノイの中で「柔」の役割を担っていたのはアンディだったのかなと思います。
作曲能力についても同様で、ハノイ・ロックスを私の中で特別な存在にしているのは、ストレートなロックやハードロックがうまいだけではなく、独特のフレーズがある曲が多いというところです。
“Tragedy”や”Malibu Beach Nightmare”といったスタンダードな曲も良いのですが、”Taxi Driver”や”Underwater World”といった曲もあるのが魅力に感じています。
マイケルのステージ上のパフォーマンスだけでなく、ライブも楽しいのがハノイ・ロックスの魅力のひとつです。
私自身は残念ながら1983年と1984年の来日公演は見ていません。再結成した後の来日公演(フェスティバル系を除く)はすべて行きました。
最後となった2009年のクラブチッタではオープニングの”Obscured”だけで泣けました。そして、ラストでも泣けました。良い思い出です。
ハノイのライブは演奏がものすごくうまいというわけではないんですが、観客をノせるのがうまく、本人たちも楽しそうにやってるのがいいです。
ハノイのライブの後は毎回汗だく、喉がガラガラという状態でした。
マイケルモンローの好きな曲とアルバム
ハノイ・ロックスのメンバーは解散後にいろんな活動をしていますが、その中でもっとも成功をしているのはマイケル・モンローです。
私自身もハノイ・ロックス解散後は基本的にマイケル・モンローの活動を追いました。
マイケル・モンローの作品の中で特に好きなのは以下です。
- Not Fakin’ It (1989)
- Demolition23.(1994)
- Horns and Halos (2013)
- Blackout States (2015)
『Not Fakin’ It』は1989年発表のソロ2作目です。
ハノイロックスのナスティ・スーサイドも三曲参加しています。
“Dead, Jail Or Rock ‘n’ Roll”、”She’s No Angel”、”Not Fakin’ It”が好きです。
音楽的にはストレートでシンプルなハードロックです。それとパンクロックっぽさも少しあります。
ハノイ・ロックスに比べるとアンディ・マッコイの不思議なギターがないのでアンディのハノイ・ロックスにおける貢献度がよくわかります。
Demolition23.はマイケルとサム・ヤッファという元ハノイ・ロックスのメンバーを中心に結成されたバンドです。パンクロックをメインにしていてカバー曲も多いです。
アルバムは1枚だけで『Demolition23.』を1994年に発表しています。
このアルバムで私が好きなのは”Nothin’s Alright”と”Hammersmith Palais”です。
来日公演の時にはナスティ・スーサイドがメンバーになっていて得をした気分になりました。
『Horns and Halos』は2013年に発表された9作目のソロアルバムです。サム・ヤッファも参加しております。
このアルバムは試聴曲にも使っている”Eighteen Angels”がなんと言っても好きです。
他には哀愁が強く漂う”Stained Glass Heart”、ミドルテンポでうねるようなリズムの”Child Of The Revolution”、バラードで始まって速いテンポに移行する”Ballad Of The Lower East Side”など良曲が多いです。
2015年発表の『Blackout States』も良いアルバムでした。ちなみにこのアルバムにもサム・ヤッファが参加しています。
好きな曲は”Walk Away”、”Old King’s Road”、”Good Old Bad Days”です。
ここ数年はソロ作品に専念していますが、どの作品も一定のレベルを保っています。
ただ、ややマンネリ化してるのも事実です。この辺で何か変化が欲しいなと思っています。
今年はソロ・キャリア30周年記念としてベストアルバムも発表されます。新曲と未発表曲も収録されているので買わないわけにはいかないですね。(笑)
12月には来日公演も予定されているのでどうしようか迷っているところです。この年になるとオールスタンディングが疲れるんですよね(笑)
その他の作品
マイケル・モンロー以外のソロ作品やプロジェクトも数多くあります。
まずアンディはSuicide Twins、Cherry Bombz、Shooting Gallery、Grease Helmetというバンドを組んでいます。
Suicide Twinsはアンディとナスティ・スーサイドのアコースティックプロジェクトです。アルバムは買いましたが、いまひとつでした。
Cherry Bombzにもナスティーが参加しています。こちらはハノイ・ロックスに近いロックをメインとしたバンドでEPの『House of Ecstasy』はなかなか良かったです。
Shooting Galleryはアルバム1枚しかないのですが、こちらもなかなか良かったです。
ハノイ・ロックスのオリジナルドラマーGyp Casinoも参加していたりします。
ナスティ・スーサイドはアンディやマイケルと一緒に活動をしてることが多いですが、Cheap And Nastyという自分のバンドで活動をしていたこともあります。
Demolition23.を辞めた後にバンド活動は基本的に引退していて、薬剤師として働いてるそうです。
サム・ヤッファはJerusalem Slim、Demolition23.などマイケルとの活動が多いです。その傍ら、JetboyやNew York Dolls、Murphy’s Law、Joan Jettでも活動しています。
Joan Jettは『I Love Rock ‘n Roll』以来大好きなミュージシャンなんですが、残念ながらサムが在籍していた頃は聴いていませんでした。
Murphy’s LawはNYのハードコアパンクバンドで、一時期聴いていたのですが、サムが在籍している時期ではありませんでした。
ナスティとサムが参加をしたプロジェクトの中で一番好きなのはFallen Angelsというバンドです。このバンドはThe VibratorsのKnoxを中心に結成されてナスティとサムだけでなくラズルも参加しています。
ファーストアルバム『Fallen Angels』は1984年に発表されました。まだハノイ・ロックスが活動していた頃です。
音楽的にはパンクロックでとてもルーズで力が抜けまくってます。(笑)
私が好きなのは”Inner Planet Love”と”Cuckoo Land”という曲です。
なおCosmic Ted と Psychedelic Kidという名前でマイケル・モンローとアンディ・マッコイもゲスト参加をしているそうです。
2枚目の『In Loving Memory』も聴きましたが、こちらはナスティとアンディがゲストで参加しているのみです。
アルバムそのものはまあまあでした。
ハノイ・ロックスのメンバーが関わった作品で好きなのは圧倒的にFallen Angelsです。
次にShooting GalleryとCherry Bombzですね。
やはりマイケル・モンローのソロ作品やバンドのほうが私は好きです。
まとめ
ハノイ・ロックスについて書きました。Queen、AC/DC、Metallicaと私が好きな三大バンドの次に思い入れがあるバンドなので長くなってしまいました。
ラズルの死という悲劇があって解散をする結果になってしまいましたが、不思議と悲壮感はあまり感じないんですね。
フィンランドのエネルギッシュな悪ガキたちがロンドンに乗り込んでやりたい放題やった挙げ句、全米進出を前に解散をしてしまったという印象のほうが強いです。
英語版のWikipediaでもわざわざ”they were also popular in Japan”と紹介されるほど日本でも人気がありました。
順調であればハノイ・ロックスはアメリカでも商業的に成功をしてビッグバンドになっていたと思います。
有名なところではGuns N’ RosesのスラッショとダフがLA公演のチケットを買っていたそうですね。その前にラズルが死んでしまったのでこのLA公演は実現しなかったそうです。
Skid RowやThe Foo Fightersのメンバーもファンを公言してますね。
もうちょっと世界的に大きな評価を受けても良いのにと思ってしまいます。
これから聴く方にはお薦めのアルバムでも良いですし、ベスト盤でもいいと思います。
ベスト盤は色々ありますが、『Million Miles Away』がいいと思います。
今回は以上です。
以下の記事も併せて参考にしてください。
コメント
ハノイロックスは
ニューヨークドールズの完コピだな
特にギターとボーカル、と、ファッション
ギターの演奏はジョニーサンダースのまね
全部パクリじゃん 笑
なので、何の魅力も感じません 笑
ロックスさん、なかなか狭量なコメントありがとうございます。
ニューヨークドールズといえば、マイケル・モンローを筆頭にハノイのメンバーが敬愛して止まないバンドでサム・ヤッファも一時期在籍していますね。後にW.A.S.P.を結成するブラッキーも在籍していたとんでもないバンドです。ハードロックとパンクロックを融合させた音楽性については始祖とも言える存在と認識しています。
そんなバンドと多大な影響を受けたハノイロックスをオリジナリティーの点でまともに比較をするのはどうかと思いますが、ハノイロックスにはハノイロックスの個性があると思ってますし、アンディ・マッコイのギターがジョニー・サンダースの完コピには聞こえません。