Maverick
続いて同じUnique MelodyのMaverickです。
Maverickはいわゆるハイブリッド型のカスタムIEMです。
Low x 2 (Dynamic x 1 + BA x 1)、Mid x 1、High x 2という構成で低音用にダイナミックドライバがひとつ搭載されています。
At The End Of The Day / Les Miserables
全体的なバランスがいいですね。フラットに近いと思います。
高音の解像度は高く、こちらもキラキラとした高音。
中低音の量があるので個人的にはMaverickのほうが好みです。
Miracleに比べると中低音の解像度は若干低いですが、Maverickは温もりがありますね。
低音もいい感じで沈み込んでいます。
オーケストラの迫力も表現できてますし、奥行きもあります。
音の大小も良い感じに表現できてるという印象。
She-Wolf / Megadeth
中低音の量が多く、厚みもあるのでMiracleよりも好みに合います。
温もりも適度に合って包み込むような表現がうまいです。
高音は解像度が高くキレがあります。
もう少し音の余韻が残るといいのですが、必要十分といったところでしょうか。
Rangers / A Fine Frenzy
Miracleよりも低音の出方が魅力的です。
この曲の独特な低音なんですが、うねるように低音が包み込んでくれます。沈み込み方もいいです。
中域は主張しすぎず、ちょうどいい按配だと思います。
高音はMiracleほどではないもののやはり少し刺さります。
No More Tears / Ozzy Osbourne
音の密度が上がっても問題ないです。
ギター、ベース、ヴォーカルと目立つべき音がめまぐるしく変わる曲ですが、ちゃんと表現できてます。特にギターリフとベースが合わさるところはとてもいい感じ。
高域が邪魔をすることもないです。
A Kind Of Magic / Queen
音の粒が細かくてつながりもいいですね。自然に聴くことができます。
フレディーのヴォーカルは解像度が高いもののところどころ粗くなります。もう少しまろやかさが欲しい。
中域の中でも高い部分のまろやかさが足りないという印象です。
低音は良い感じに音の角が取れてます。中高音についてはもう少しまろやかなほうが良いですかね。
JH16PRO
JH16PROはAngieと同様に低域を調節することができます。
まずは低音を一番強くして聞いてみました。
At The End Of The Day / Les Miserables
こもって聞こえます。
全体的なバランスは中低音寄りです。
オーケストラの迫力は伝わってくるのですが、ロック的な味つけの音に聞こえます。
低音は量も多く、下までよく出ていますが解像度は低いです。もこもことしている感じです。
低音の沈み込みについては良い感じなんですが、包み込みすぎてボワつく感じがしますね。
結論としてこの曲には合わないと思いました。
She-Wolf / Megadeth
これは合います。
低音がすごいうなり方をしますね。低音を耳に流し込まれてる感じです。(笑)
その割に高音もちゃんと聞こえてドライブ感がよく出てます。
At The End Of The Day / Les Miserables
ちょっと低域が多すぎると感じたので、低域を半分の位置に調節しました。
低域の量は少なくなりましたが、出だしのパーカッションの高音が聞こえません。
とはいえ、さっきよりバランスはマシになりました。
低域を調節してもややこもるのは変わりがありません。
どうしてもロックのドライブ感を出そうとするのか、この曲では不自然に感じます。
特にオーケストラが不自然ですね。
VE6 Xcontrol
最後にVE6 Xcontrolです。
この製品はVISION EARSのフラグシップモデルで、低域を二段階に調節することが出来るようになっています。
スイッチを上に上げるとX2と同じセッティングになります。
スイッチを下に下げるとX1です。
X1のほうが低音が強くなるようになっています。
写真でわかりますかね。
フェースプレートについている黒いのがスイッチです。
ここで低音の調節をすることが出来ます。
At The End Of The Day / Les Miserables
まずはスイッチを上にして低域が控えめな状態から聞いてみました。
音の粒が非常に細かいです。滑らかさもこれまで聴いてきた製品よりも上ですね。
少し上というレベルではなく、結構差があります。
高音は刺さることなくきれいでよく伸びます。MiracleとMaverickが出してくれた機器ら系の高音とはちょっと違います。
より上品で聴きやすい高音です。
この曲に関してはこれまで聴いてきた3製品の中でダントツに好みでした。
She-Wolf / Megadeth
ギターリフがシャープです。ぼんやりとした音像になることはありません。
その割に音の角がとれているのでマイルドで聞きやすいです。
高域から中域は少し乾いた音質ですね。
低域が魅力の曲なのでスイッチを下に切り替えました。
それほど大きな差はありませんが、低音が沈み込んだ時により量感を感じることができます。
スイッチが上の状態でも十分に魅力的な製品だと感じますが、低音の中でも低い低音が聞き取りやすくなります。
私が買うなら低音が強化されたX1のほうですね。
Rangers / A Fine Frenzy
この曲にもよく合います。けだるい雰囲気がよくでてますね。
ヴォーカルはやや刺さりますが、包み込むような低音が絶妙です。キレもあるんですが、優しくフワッと包み込んでくれます。
包み込むというところを強調していますが、解像度も高くキレもあります。
A Kind Of Magic / Queen
フレディーのヴォーカルがキレイに聞こえます。これまで聴いてきた中でもトップレベルで、元々の音源よりもいいんじゃないかと思うほどです。
VANTAM Redのアップサンプリングにもまったく負けてないですね。
低音についても解像度が高いです。ベースの指使いがよくわかります。
また、音場が広く奥行きも感じることができるので聴いていて楽しさもあります。
No More Tears / Ozzy Osbourne
冒頭のベース弦を弾く音がわかりやすいです。
ベース音については弦を弾く音がわかりやすいのと同時に、弦を弾いた後の余韻も味わうことができます。非常に優しく包み込んでくれます。
ギターはあくまでもシャープです。ザクザクという音も表現できてますし、チョーキングの高い音も気持ちがいいです。演奏者の意図通りの音がでてるという印象です。
次ページでまとめます。
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