A Day at the Races(華麗なるレース)
最後は『A Night at the Opera』の次のアルバム『A Day at the Races』です。
『A Night at the Opera』のほうが一般的には評価が高く、セールス上も成績が良いのですが、私はこちらのほうが気に入っています。
初期Queenと中期Queenをつなぐ重要な作品でもありながらも、初期Queenの集大成として相応しいかなと思っています。
Queenのライブで欠かすことので気ない曲となった”Tie Your Mother Down”で始まります。
続く”You Take My Breath Away”はフレディーが得意なピアノ曲です。非常に美しいですね。
“Long Away”はブライアンの曲ですが、ハードロック調ではなくシンプルなアコースティック調の曲です。この曲のジョンのベースも大好きです。
“The Millionaire Waltz”でフレディー節を聴くことができますが、初期Queenの複雑な展開を残しながらも短い時間でよくまとまっていると思います。このアルバムはどの曲もそうなんですが、非常に洗練されていると感じます。
逆に言うと粗がなくて優等生的なアルバムという見方もできますが、2016年に聴いても違和感がないのはすごいなと感心します。
続いてジョン作曲の”You and I”です。この曲も”Long Away”と同じくベースラインが印象的ですが、”Long Away”に比べるとジョン・ディーコンらしいシンプル且つキャッチーなメロディーの曲だと思います。
Queenは4人とも作曲能力が高いバンドですが、この手の曲を書かせたらジョンが一番うまいと思います。
“Somebody to Love”については私がどうこう言うまでもなくQueenの代表曲にして名曲ですね。
よく”Bohemian Rhapsody”と比べられる曲ですが、私自身は少し違う見方をしていて、Queenが中期から後期に向かう転換となる曲なのかなと思っています。
この曲は初期Queenの伝統的な曲作りの手法に倣っていながらも、ゴスペルの要素を取り入れていると思うんですが、ゴスペルに限らずいろんな要素をQueenサウンドの中に入れていくことになるので、初期のQueenとはちょっと違うことをするよと言うメッセージが込められているように感じています。
非常にQueenらしい曲なんですけどね。その中にこれまでとはまったく異なるジャンルの要素を入れているのは面白いと感じます。
“Good Old Fashioned Lover Boy”はいかにもフレディーらしい曲ですね。
この曲も他ではなかなか聴くことができないと思います。
続く、”Drowse”と”Teo Torriatte (Let Us Cling Together)”も好きな曲です。
“Drowse”はロジャー作で初めて好きになった曲です。
このアルバムの前にもロジャー作の曲は何曲かありますが、初期ロジャーでは一番気に入っています。
Queenを聴くのにお薦めの順番
Queenはいろんなジャンルに挑戦したバンドなので、どこから聴いたらいいのか迷う方も多いのではないかと思います。
さらに私のようなファンもお薦めしづらいと感じることがあります。
Queenは是非聴いて欲しいのですが、『Queen II』と『Hot Space』のような作品があるバンドなので、お薦めする人の嗜好を知らないと残念な結果になりがちです。(笑)
これまで書いてきたようにどのようなジャンルをやってもQueenらしさは失われていないので、やはり代表的な曲やアルバムを聴くのが一番いいかなと思います。
ということで、一番のお薦めは『Greatest Hits』と『Greatest Hits II』です。
ライブ盤が好きという方には『Live at Wembley ’86』をお薦めします。
この3作であれば外れはないです。
逆にこの3作を聴いてピンとこなければQueenを聴くのはやめたほうがいいと思います。
『Greatest Hits』の中で初期のQueenが好みに合ったら、『Queen』と『Queen II』、『Sheer Heart Attack』を聴いてみてください。『A Night at the Opera』もいいですね。
中期の曲が気に入ったら『A Day at the Races』、『Jazz』、『News of the World』を聴いてみてください。
『The Game』からの曲が気に入ったのであれば、『Hot Space』、『A Kind of Magic』、『Innuendo』を聴いてみてください。
このような順番で聴いていけば、Queenを聴く上で大きな過ちは犯さないと思います。(笑)
その他の作品
最後にQueenのライブ盤や映像作品について書きたいと思います。
Live Killers
Queenの最初のライブ盤で、1979年の欧州ツアーの音源をまとめた作品です。
『Live at Wembley ’86 』に比べると荒削りなところがありますが、油がのってギラギラしてる頃の彼らを堪能することができます。
『Live at Wembley ’86 』と同じくらいお薦めしたいアルバムです。
個人的には映像も非常に見たい作品ですね。
Queen on Fire – Live at the Bowl
2004年に発表された1982年6月のライブ映像です。Hot Spaceツアーの模様が収録されていてます。
『Live Killers』、『Live at Wembley ’86 』とは異なる時代のライブなので、とても貴重です。
個人的には『Live Killers』のほうが好きですが、『The Game』と『Hot Space』が好きという方にはお薦めです。
Live at the Rainbow ’74
長年、初期からのQueenファンの間では幻とされてきた1974年3月のレインボー・シアターのでのライブを収録した作品です。
まだ”Bohemian Rhapsody”リリース前のなので『Queen』と『Queen II』の曲で構成されています。
この作品は特に初期のQueenが好きという方にお薦めですが、すべてのQueenファンにお薦めしたい作品です。
あまり期待していなかった画質と音質がいいのも好感です。
私は『Live at Wembley ’86 』と同じくらい好きな作品です。これを生で見たかったですね・・・。
A Night At The Odeon – Hammersmith 1975
この作品も初期Queenを堪能できるライブ盤です。1975年の12月にハマースミス・オデオンで行った伝説的なライブの模様が収録されています。
1975年と言えば、Queenが”Bohemian Rhapsody”をリリースし、ようやく母国イギリスで大ヒットを飛ばした年です。このライブもQueenファンの間では伝説的なライブとなっており、オールドファンは待ちに待ったリリースとなりました。
先ほどの『Live at the Rainbow ’74』に比べると『Sheer Heart Attack』と『A Night at the Opera』からの曲も演奏されています。
この作品も画質、音質ともにそれほど悪くありません。
もちろん、最近の作品に比べたら粗いですけどね。
本作に関する詳細は以下の記事を参考にしていただければと思います。
https://gateway254.com/digital01/?p=4461
Freddie Mercury Tribute Concert
1992年4月に行われたフレディーの追悼コンサートの模様を収録したライブ盤です。
フレディーがいないのは寂しいのですが、非常に豪華なメンバーですし、Queenの音楽がいかに多様でフレディーのボーカルがいかにすごかったかがわかる作品になっています。
それと、Queenもライブで演奏しなかった曲が演奏されているのも見どころかなと思います。
残念ながらロバート・プラントが歌った”Innuendo”などカットされている曲もあるんですが、それでも充実した内容となっています。
まとめ
前回の記事に続いて、好きなアルバムとQueenを聴くのにお薦めの順番、その他の作品について書いてきました。
好きな曲も好きなアルバムも結構流動的で、自分がQueenを聴く時期や気分によって変わったりします。どのアルバムもとても良い作品なのであまり心配をせずに聞いて欲しいなと思います。(笑)
それでも今回の2本の記事ではあまり変わらない曲とアルバムを紹介しました。
うまくQueenの魅力を伝えることができたかわかりませんが、これからQueenを聴いてみようという方の参考になれば幸いです。
それとQueenは観るのも楽しいので、是非映像作品も堪能して欲しいですね。
Queenはスタジオでいろんな工夫をしたバンドなのでスタジオアルバムも良いのですが、ライブもうまいバンドだったのでライブも堪能してください。
Queenについては以下の記事も参考にしてくださいませ。
前回の記事です。私とQueenの魅力の他にお薦めの20曲を紹介しています。
2018年に公開された映画『ボヘミアン・ラプソディ』の感想を書きました。
コメント
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