「私と音楽 女性ボーカル編」第2弾です。
前回はスウェーデンのシンガーソングライターのアナ・ターンハイムを紹介しました。
今回はガラッと音楽性を変えて、アメリカのブルーグラス/カントリーの歌姫アリソン・クラウスを紹介します。
前回の記事でハワイの女性ボーカルトリオ Na Leoがきっかけで女性ボーカルを聴くようになったと書きましたが、Na Leoの次にはまったのがアメリカの女性カントリーアーティストです。
大人になってから半年ほど米国とカナダの西海岸にいたことがあって、その時は毎日車で東京−福岡間を2往復するくらい運転してました。
そんな時にラジオで流れるカントリー音楽を聴いていたのですが、日本で聴いてるとなんとも思わないのにアメリカで車を運転しながら聴くカントリーは非常に心に響きました。
音楽に限らず、食べ物やアルコールといった習慣や文化はその土地の風土に影響されるところが大きいなぁと実感したときでした。
Na Leoを聴いて女性ボーカルも良いなと思ったときに、次は女性のカントリーミュージックを聴きたいと思うようになりました。
そんな時に出会ったのがアリソン・クラウスです。
Alison Krauss アリソン・クラウス
アリソンは1971年に米国イリノイ州で生まれています。
5歳からバイオリンを習うも、クラシック音楽にはあまり興味が持てず、カントリーやブルーグラス、AC/DCにローリング・ストーンズ、レーナード・スキナードを好んで聴いていたようです。特に好きだったのはポール・ロジャース。
1983年に全米フィドラーズ・チャンピオンシップで9位となったのをきっかけとして1987年に『トゥー・レイト・トゥ・クライ』でデビューしています。
16歳でのデビューだったので音楽の才能はかなり高かったんでしょうね。
その後は順調にキャリアを重ねて、2012年現在、グラミー賞を28受賞しています。
28という数字は歴代2位の記録で、女性では史上最多です。
米国のカントリーミュージックが日本に入ってくることは極めて希なのでアリソン・クラウスの知名度は低いのですが、米国ではかなりビッグなアーティストです。
音楽的にはブルーグラスというカントリー音楽のジャンルのひとつで、アメリカ南部に入植したスコッチ・アイリッシュ民族の伝承音楽がベースとなっています。
ブルーグラスはアップテンポの曲が多く、速弾きやインプロビゼーションが必要なのが特徴です。
まあ、私はカントリーミュージックを詳しく知らないのでブルーグラスと言っても、他のカントリーミュージックとの違いはあまりわからなかったりします。(笑)
アリソン・クラウスは自身のソロ活動だけでなく、Union Stationとの活動、他のアーティストとのコラボレーションも活発に行っています。
ジャンルはカントリー(ブルーグラス)がメインですが、他のジャンルのアーティストとも活発に共作をしています。
私がアリソンに魅力を感じているのはなんと言っても声です。
透明感があり澄んだ声は私が聴いている女性ボーカルの中でも群を抜きます。
あまり力を入れずにリラックスして歌うのが彼女のスタイルなんですが、声がとても良く通るのも魅力のひとつです。これは実際に聞いてもらえればわかるかと思います。
好きな曲とアルバム
それでは好きな曲とアルバムを紹介していきましょう。
アリソン・クラウスの作品で私が聴いているのは以下です。
- Too Late to Cry / Alison Krauss
- Two Highways/ Alison Krauss
- Now That I’ve Found You: A Collection / Alison Krauss
- Forget About It / Alison Krauss
- Every Time You Say Goodbye / Alison Krauss & Union Station
- So Long So Wrong / Alison Krauss & Union Station
- New Favorite / Alison Krauss & Union Station
- Lonely Runs Both Ways/ Alison Krauss & Union Station
- Every Time You Say Goodbye/ Alison Krauss & Union Station
- Paper Airplane / Alison Krauss & Union Station
- Raising Sand / Robert Plant & Alison Krauss
映像作品は『Hundred Miles Or More』とUnion Stationとの『Live』を購入しております。
好きなアルバム
それでは好きなアルバムから紹介していきます。
- Raising Sand / Robert Plant & Alison Krauss
- Now That I’ve Found You: A Collection / Alison Krauss
- New Favorite / Alison Krauss & Union Station
- Forget About It / Alison Krauss
Raising Sand / Robert Plant & Alison Krauss
元Led Zeppelinのロバート・プラントと共作をしたアルバムで、2007年に発売されています。収録曲のほとんどがカバーですが、”Please Read the Letter”はジミー・ペイジとロバート・プラントが1998年に発表した『Walking into Clarksdale』からのセルフカバーです。
セールス的には米国のカントリーチャートで二位を記録しただけで、爆発的なヒットにはならなかったものの、2009年に行われた第51回グラミー賞では年間最優秀レコード賞と年間最優秀アルバム賞を獲得しました。この年のグラミー賞は新人のアデルやコールドプレイがいたので結構レベルは高かったんですが、これらの若くてイキの良いアーティストをおさえての受賞は個人的に驚きでした。
ちなみに今では大好きなアデルですが、新人の頃はまだ聴いておりませんでした。(笑)
生意気そうなのがイギリスから出てきたなぁという印象でしたね。←無礼者
さて、『Raising Sand』は発売前から結構話題になっていて、私自身もアリソン・クラウスとロバート・プラントという大御所二人の共演とあってかなり注目してたんですが、試聴をした結果いまひとつという印象だったので、すぐにCDは購入しませんでした。
ハードロック/ヘヴィーメタルも大好きですが、Led Zeppelinとは昔から相性が悪く、「聴いておかないとね」程度にしか聴いてません。
ロバート・プラントとアリソン・クラウスの魅力に気がついたのはグラミー賞授賞式での二人のパフォーマンスでした。
二人とも歌がうまいのは当たり前ですが、立ち姿や振る舞いがとてもかっこいいし、良い感じに力が抜けてる割にオーラが出まくってて鳥肌ものでした。
私にとってこの二人のパフォーマンスは今でもグラミー賞のベストパフォーマンスのひとつです。
結局、グラミー賞のあとにすぐにCDを買って聴きまくることになりました。
音楽的にはリッチで大人の音楽以外にいい形容詞が思いつきません。
ジャンルとしてはカントリーロックとフォークロックです。
収録曲は前述の通り、カバー曲がほとんどなので楽曲のレベルは高いです。
魅力はなんと言ってもプラントとアリソンの力の抜けたボーカルで、相性もとてもいいです。
プラントはもちろん、Led Zeppelinで聴かせた高音シャウトは封印しています。とてもソウルフルで味のある歌唱に徹しています。
特徴のあるプラントの声にアリソンの声が混ざる様がとても好きです。
アリソンの声はプラントの邪魔や主張をするわけではなく、自然と音の空間に溶け込みます
サウンドプロダクションと演奏が良いのもこの作品の魅力のひとつです。
60年代から70年代の作品を意識してるんだと思いますが、音は全体的に古くさいものになっています。よって現代的な音の良さではないのですが、非常にぬくもりがある音になっています。この音作りのおかげでこの作品は魅力のあるものになったんじゃないかと思っています。
次ページに続きます。
コメント
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