amahikasです。
「私と音楽」Heavy Metalシリーズの第3弾はVirgin Steeleです。
第一弾はジューダス・プリースト、第2弾はドイツのRAGEについて書きました。
第3弾はIron Maidenの予定だったんですが、TwitterでフォロワーさんとVirgin Steeleの話しで盛り上がっていたら無性に聴きたくなり、しばらく聴いてたら書きたくなったという、よくある展開でこの記事を書くことにしました(笑)
Virgin Steele ヴァージンスティール
Virgin Steeleは1981年に米国ニューヨークで結成されたバンドです。
日本デビューは私の記憶が正しければ1983年暮れから1984年の上旬頃だったと思います。
私はLAメタルのバンドと一緒に聴いていましたが、バンド結成はNWOBHMの頃なので音楽的にはLAメタルではなくNWOBHMのバンド群に近いものがあると思います。
結成当時は初代ギタリストのジャック・スターが中心人物でしたが、ジャックは2作目を最後に自分の音楽活動を始めたため、ボーカルとピアノ、キーボードを担当するデヴィッド・デフェイスがリーダーとなります。
その後、3作目の『Noble Savage』までは比較的順調だったのですが4作目の前から停滞期に入り、すっかり名前を聞かなくなりました。
私自身は大げさでオペラティックなVirgin Steeleのスタイルが好きだったんですが、LAメタルが大人気という時代だったのでVirgin Steeleには不利だったと思います。
そんな彼らが1992年に『Life Among the Ruins』で復活したのは嬉しかったです。
初期の頃よりもさらにメタルオペラという言葉が相応しい音楽になっていて日本でもコアなファンの支持を集めました。
この後は、『The Marriage of Heaven and Hell Part I』と『The Marriage of Heaven and Hell Part II』を発表し、2000年頃まで順調に活動していたようです。
私は1990年代後半からメタルを聴かなくなってしまったので、1998年発表の『Invictus』以降は聴いていないんですよね。
音楽スタイルは非常にオードソックスなHeavy Metalがベースとなっています。NWOBHMの音楽に近いです。
特徴はボーカルが妙なタイミングで奇声を発したり、やたらドラマティックでメロディアスな曲の構成にあります。スピードのある曲に混じって涙無しには聴くことのできないバラードがあったりするので喜怒哀楽がはっきりしている音楽が好きな私には大好物というわけです。
前述の通り、初期は粗っぽさがありますが、中期から後期にかけて彼らのスタイルが徐々に確立され、Virgin Steeleじゃないとできない伝統芸のようになっています。
デビューアルバムのオープニングからクラシック音楽を取り入れているのも特徴で、メタルとクラシックを融合させるのもうまいと思います。
あとはなんと言ってもボーカルですね。日本でいまひとつ人気が出なかった原因のひとつはたまに妙な奇声を発するボーカルスタイルにあるんじゃないかと思ってます。(笑)
ただし、この奇声も初期の頃だけで『Life Among the Ruins』ではすっかり正統派になっているので安心してください。
私はあの奇声がクセになっているので初期の作品も大好きなんですけどね。(笑)
その他の特徴としては男臭さでしょうか。初期のメタルというと男臭いのが当たり前でしたが、Virgin Steeleはその中でも男臭い音だったように思います。
好きな曲
Virgin Steeleはなんだかんだで『Virgin Steele』、『Wait for the Night』(EP)、『Life Among the Ruins』、『The Marriage of Heaven and Hell Part I』、『The Marriage of Heaven and Hell Part II』くらいしか聴いていません。
2作目と3作目を聴かなかったのが悔やまれますが、当時は学生だったので欲しいもの全部を買うわけにはいかなくて、他のアーティストを優先したんですよね。
で、私の購入パターンとして1980年代前半のアルバムはCD化されてから購入したことが多いのですが、Virgin SteeleはCD化されるのがめちゃめちゃ遅くて2000年代に入ってからと記憶しています。
デビュー作のCDを見つけたときは速攻で買いましたね。(笑)
それでは好きな曲を紹介していきます。
- Minuet in G Minor / Danger Zone 『Virgin Steele』
- American Girl 『Virgin Steele』
- Still in Love With You 『Virgin Steele』
- I Am the One 『Wait for the Night』
- Love is Pain 『Life Among the Ruins』
- Last Rose of Summer 『Life Among the Ruins』
- I Wake Up Screaming 『The Marriage of Heaven and Hell Part I』
- Life Among the Ruins 『The Marriage of Heaven and Hell Part I』
“Minuet in G Minor / Danger Zone”はデビューアルバムのオープニングを飾る曲です。
クラシックの曲から始まってデヴィッドの奇声につながります。初めて聴いたときはかなりの衝撃を受けました。(笑)
今ではVirgin Steeleといえばこれってくらい大好きな曲です。
“American Girl”はVirgin Steeleには珍しくポップな明るい曲です。
この曲はジャック・スターが書いたんでしょうね。初期のVirgin Steeleはジャック・スターとデヴィッド・デフェイスの二人のカラーが混じっています。
ジャックが抜けてからデヴィッド一色になります。
私はどちらの音楽性も好きですが、ジャックが早めに音楽性の違いを理由に脱退することになったのはなんとなく理解ができます。
“Still Love in You”はハードなバラードです。
デヴィッドの切ないボーカルとジャックのギターが冴えてます。
“I Am the One”はEPの『Wait for the Night』に収録されていた曲で、2002年にバンド結成20周年を記念して発表されたベストアルバム『The Book of Burning』で再録音されました。
私が聴いてるのはこのバージョンです。
ジャックが脱退した後のVirgin Steeleに通ずる音楽性を持った曲で、物語のあるドラマチックな構成となっています。
デヴィッドのボーカルはまだ初期のスタイルに近いので中期以降とはちょっと違う雰囲気を楽しむことができます。
“Love is Pain”は中期に入る『Life Among the Ruins』からの曲です。
この頃には音楽性も完成されていて、曲の構成や音質、演奏も聴きやすいものになっています。
メロディーが非常にきれいで初期の攻撃的な部分が少し和らいでいます。
“Love is Pain”は中期以降を代表するような曲になっていますね。大好きです。
“Last Rose of Summer”は『Life Among the Ruins』に収録されているピアノを中心としたバラードです。この曲も随所にVirgin Steeleらしさが出ていて”Still Love in You”が中期の音楽性で蘇ったという印象があります。
“I Wake Up Screaming”は中期の代表作『The Marriage of Heaven and Hell Part I』に収録されているテンポの速い曲です。ギターリフが印象的です。
“Life Among the Ruins”もテンポの速い曲でこちらのほうがVirgin Steeleらしさがよく出ていると思います。
ドラマティックな曲でサビにむかって盛り上げていくのがうまい曲ですね。
この辺の演出が私にはたまらんものがあります(笑)
Jack Starrの作品
早くに脱退をしてしまったJack Starrですが、数多くのソロ作品も出しています。
その中で私が聴いたのはJack Starr’s Burning Star名義で発表された『Jack Starr’s Burning Star』です。
1989年に発表された4枚目なんですが、Virgin Steeleとは違ってメロディアスなハードロックになっています。非常にキャッチーで甘い曲が多いのが特徴です。
この作品を聴くとジャックが音楽性の違いから脱退した理由がさらに良くわかるかと思います。
ただ、メロディーがきれいという点においてはVirgin Steeleと共通点があるなと私は思ってます。
国内外でもあまり評価されていない本作ですが、2017年現在は入手が困難になっているようです。
まとめ
Virgin SteeleとJack Starr’s Burning Starを紹介しました。
中期以降はちゃんと追いかけてないのですが、現在はエピックメタルの創始者のひとつとしてヨーロッパを中心に人気があるんですね。
私にとってはNWOBHMの流れを汲みつつ、独自のスタイルを作り上げたメタル界の功労者という印象です。
特に1980年代中盤からメタル界は派手なLAメタルと、アグレッシブなスラッシュメタルに分かれていったという印象があるので、あくまでも中道を貫いていったVirgin Steeleは貴重なバンドだと思います。
お薦めのアルバムは『Life Among the Ruins』と『The Marriage of Heaven and Hell Part I』です。
前述の通り初期の頃はボーカルのクセが強いので積極的にお薦めできないのですが、個人的に一番好きなのは『Virgin Steele』です。
中期の作品が気に入ったら是非とも挑戦してみて欲しい1枚です。あの独特のボーカルに慣れれば癖になりますので(笑)
今回は以上です。
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コメント
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