春のヘッドフォン祭2016に行ってきました。
カスタムIEMのVision Ears VE5を購入して私のポータブルオーディオ環境もだいぶ落ち着いてきましたので、購入前提で聴いておきたいという製品はあまりないのですが、知見を広げるという意味で収穫が多かったです。
それとiPhoneに合わせるDAC兼ポータブルヘッドホンアンプをもう少し理想に近づけたいなと思っています。
先日購入したHERUS+にも満足しているのですが、もう少し素直な音を出す製品も探しています。
DAC兼ポータブルヘッドホンアンプの他には新しい技術や新しい音作りに挑戦している製品を聴きました。
現状、ポータブルオーディオの世界は進化が早いですからね。
今回事前に聴いてみたいと思っていた製品については以下の記事にまとめました。
CROSSZONE CZ-1
台湾の新興メーカーのヘッドホンです。詳細は以下、公式サイトを参考にしてください。(PDFファイルです)
試聴環境はiPhone 6s PlusとHERUS+です。
試聴に使ったのはいつもの曲です。以下の記事を参考にしてください。
At The End Of The Day / Les Miserables
一聴して上品な音だなぁと感じました。
細かくて繊細な表現が非常にうまい。
高音はよく伸びてますが表現が少し雑になるところがあるように感じました。
低音はDT 1770 PROと比べると量が少ないです。
定位は確かに面白いですね。頭の中ではなく、少し頭の前のほうで鳴ってる感じを味わうことができました。
ただし、それほど強烈に他の製品と異なるという印象はありませんでした。
注意をして聴くとわかるというレベルですね。
Bisso Baba / Bob James
この曲も非常に上品に鳴らしてくれました。この手の音楽には非常に合いますね。
ベース音はDT 1770 PROよりも物足りないですが、低音が出ていないというほどではありません。
高域のシンバルとピアノの表現は細かくて反応もいいです。
Rock the Blues Away / AC/DC
この曲では今ひとつと感じました。
中域の量が物足りなく、迫力が出てません。低域の量についてはそれほど気になりませんが、中域が少ないのは全体的に痩せて聞こえるのでこの手の音楽には合いませんね。
音場の表現はうまく立体的です。
どちらかといえば、リスニングに適した製品化と思いますが、高解像度で緻密な音も不得手というわけではありません。
また、全体的に乾いていて硬質な音ですが、ややウォームな雰囲気もあります。
Flesh and The Power It Holds / Death
AC/DCにはいまひとつ合わなかったのですが、このDeathには意外と合いました。
クラシックやジャズを聴くのにいいのかなと思ったんですが、万能に使うこともできそうですね。
物足りなさを感じることもありますが、どの曲も聴きづらくならないのはいいですね。
The Millionaire Waltz / Queen
古い音源も問題ないです。
この曲は音が前後左右に移動するのが特徴ですが、自然と音の動く様を表現できてますね。
それとベースの温もりのある響き方が印象的でした。
A Kind Of Magic / Queen
ポップスもいけますね。
先ほどの”The Millionaire Waltz”と比べると一転してシャキシャキとはっきりとした音を聴かせてくれます。
モニター系の製品ほど緻密ではありませんが、細かい音も表現できてる上に気持ちよく聴くことができますね。ここがポイントかなと思います。
Rangers / A Fine Frenzy
この曲も合いました。
けだるそうな雰囲気をよく表現出来てます。
前述の通り、音場の広さや立体的な表現がうまいので、曲の持つ雰囲気をしっかりと聴かせてくれます。
CROSSZONE CZ-1のまとめ
装着感は緩めでした。個人的にはもう少し側圧が強いほうが好きですが、自宅で使う分には問題のないレベルです。
音量は最大で聴きました。
おそらくiPhoneとHERUS+ではCZ-1の真価を出し切れてないのでしょうね。
サイズはDT 1770 PROより大きいです。
予想していた通り、外に持って行って聴くというタイプの製品ではありませんね。
ちなみに隣の方が試聴をしていたのですが、音が少し漏れていました。
現状では価格も25万と高価ですし、携帯するのも難しいので私が買うことはありませんが、室内でヘッドホンを使うという方には面白い製品じゃないかと思います。
音質のほうは飛び抜けて特別なものは感じませんでしたが、メーカーが意図している頭の前で音が鳴る感覚は少し感じることができました。
細部を慣らしながらも聴き疲れしない点も魅力です。
デザインは写真にもあるとおり、独特でごつい感じです。
質感はややプラスチックっぽいですかね。重量を抑えるためにこうせざるを得なかったのかなと思います。
コンセプトと音は気に入ったので是非、携帯できて5万〜10万くらいの製品も出して欲しいなと思いました。
今後に期待します。
Konohazuk
ほとんどの部品を木で制作しているヘッドホンです。
まだまだ音作りをしてる最中とのことでしたので、今回は音質を変えた試作品をいくつか展示して熱心にユーザーの感想に耳を傾けていました。
音質ですが、高音が軽いと感じました。
そのせいか全体的にシャリついた音に聞こえました。
低音については温もりのある響き方が好みに合いました。
高域の音質がよりクリアになれば全体的にもっと良くなるでしょう。
オンイヤー型のヘッドホンですが、装着感は悪くありませんでした。
ただし、アームがあまり伸びないので頭の大きい方には合わない可能性があります。
メーカーの方もここは課題として認識していました。
他に試聴をしてる方もいましたが、音漏れはありませんでした。
音漏れについては比較的優秀なんじゃないかなと思います。
サイズは小さく、重量も軽めです。
ただ、見た目がきれいなので携帯をするにはケースに入れておきたいですね。
以上、ヘッドホンの紹介でした。
個人的にはヘッドホンはほとんど外で使うので2製品とも買うことはありませんが、コンセプトは面白いと感じました。今後の展開に注目です。
その2とその3も書きました。
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