春のヘッドフォン祭2016のレポートその2です。
この記事ではカナルワークス社の新カスタムIEM CW-L52とMeridian Audioの小型DAC兼ヘッドホンアンプ Explorer2について書きます。
カスタムIEMはFitearのPrivate 222とVision Ears VE5の二本で満足していますので、しばらくは購入予定がないのですが、今後のために試聴をしました。
Meridian AudioのExplorer2はiPhoneで使用することができませんが、MQAというオーディオフォーマットにも興味があったので試聴をしました。
今回事前に聴いてみたいと思っていた製品については以下の記事にまとめました。
カナルワークス CW-L52
CW-L52は3Way6Driver構成のカスタムIEMです。
CW-L52には標準のCW-L52と音質調整機能付きのCW-L52PSTS、ベース音を聴きとりやすくしたCW-L52Baの三つのバリエーションがあります。
CW-L52とCW-L52baが125,000円で、CW-L52PSTSが136,000円と比較的安価です。
試聴環境はiPhone 6s PlusとHERUS+です。
試聴に使ったのはいつもの曲です。以下の記事を参考にしてください。
試聴は完成品ではなく試聴機を使って試聴をしています。
At The End Of The Day / Les Miserables
これまでカナルワークス社のカスタムIEMを聴いてきた印象と同じく、素直ですね。
モニター系の音質で正確かつ高解像度という印象です。
全体的にクリアで反応も速いです。
低音もよく出てます。
モニター系とはいってもCW-L51より聞きやすくなってると感じました。
あくまでもモニター系の製品ですが、リスニングもしやすくなってます。
Bisso Baba / Bob James
低音の沈み込みはそこそこです。私がメインで使っているカスタムIEMのVE5ほどではありませんが、十分に低くて深い低音が出ています。
高音は変わらずきれいで、中域は表現力が高いなと感じます。
少し不満に感じたのはこの曲独特のゆったりとした空気がいまひとつ再現されていない点です。
Four on Six / Nathan East
この曲ではスピード感がよくでてます。ベース、シンバル、ピアノの音に切れ味があって気持ちいいです。
ピアノ音の響き方も悪くありませんが、VE5と比べると鮮やかさがやや不足すると感じました。とはいえ、CW-L52のほうが自然な響き方という気がします。
Flesh and The Power It Holds / Death
音の密度を上げてみました。
この曲では中域に物足りなさを感じました。中域に近い低域も物足りないため、迫力が今ひとつ。
スピード感はよく出ていてツーバスが気持ちいいです。
She-Wolf / Megadeth
もうひとつ音の密度の高い曲を聴いてみます。
前の曲と同じ感想です。
ギターのリフなどはキレがあって気持ち良く鳴るんですが、低域と中域が少ないので曲の迫力が出ていません。
それと音の密度が上がって情報量が多くなると、聴きづらくなりました。
これは前にも同社の製品に感じたことです。正確であることに間違いはないのですが、快適にリスニングができるかというのは別問題だなと感じます。
私の場合、CW-L52Baのほうが合うのかなと思いつつ、待ってる方も多かったので引き上げました。
機会があればCW-L52Baも聴いてみたいです。
カナルワークス社のまとめ
CW-L52の感想は以上ですが、今回同社が発表したスウェットガード Proも見てきました。
この製品は実際にカナルワークス社のカスタムIEMを使用しているプロのアーティストの声を聞いて開発したそうです。
私も夏場は汗をかくほうなので音質が変わらなければありがたい製品となりそうです。
スウェットガードには二つの大きさがあります。
こちらは大きいほうのスウェットガードとなります。
こちらはスウェットガード Proのフルセットです。
大小二つのスウェットガードとスウェットガードをつまむためのピンセットが付属しています。
フルセットを一度勝ってしまえば後は好みのサイズのスウェットガードを買えばOKです。
実際に実物を見て感じたのはVE5には小さすぎるますが、FitearのPrivate 222には使えそうです。
それほど高価ではないので買って試してみようと思います。
今回の新製品発売に合わせて、これまでは大きいと感じていたシェルも薄くなったようです。
既存の製品も薄くなるのかどうかわかりませんが、個人的には見た目はすっきりとしていていいなと思いました。
もちろん、音質と装着感が変わらないことが前提ですが、試聴機を聴いたかぎりでは問題ないのかなと思います。
それと、カナルワークス社はプレートの種類も増やしているので、試聴機にきれいなプレートを着けると良いんじゃないかと思いました。
私が購入したVision Earsなんかは特徴的なミラーやウッドのプレートを試聴機に使っていたので、完成品のイメージがしやすかったですし、印象も良いです。
写真の通り、どの完成品もシェル、プレートともにきれいでした。
Meridian Audio Explorer2
お次はMQAフォーマット対応の小型DAC兼ヘッドホンアンプ Explorer2です。
Explorer2とMQAについては以下のメーカーサイトを参考にしてください。
試聴環境はメーカーが用意をしていたMacにExplorer2を接続し、VOXという再生アプリで再生しました。
ヘッドホンは私のDT 1770 PROです。
MQAのいつもの試聴環境と試聴曲とは違うので正しく評価はできませんが、音質はフラットで特定の音域を持ち上げてるとは感じません。
極めてナチュラルな音質で生々しさがすごかったです。
ホワイトノイズも少し混じるんですが、レコードを聴いていたときの音に近いと感じました。
今回聴いた音源はメーカーが用意しているものでしたが、マスターからダイレクトにMQAに変換したMQA音源ということです。
CDからMQAに変換をしてもこの音は出ないと申しておりました。
そもそもマスターからダイレクトにMQAに変換しないとMQAとはならないので、マスター音源があるのが前提となります。
そういう意味ではMQAは既成のハイレゾ音源とは別物と理解しました。
既成のハイレゾ音源はどのような音源を元にどのようにハイレゾにしているかが不明ですからね。
MQAはMaster Quality Authenticatedの略ですが、この意味がようやく理解できました。
重要なことなので繰り返しますが(笑)、あくまでもマスター音源を直接MQAに変換したものだけがMQAなのですね。
MQAが良いものであるということはわかりましたが、普及には相当の時間と根気を要すると思います。
既成のハイレゾのように古い音源もハイレゾ化には膨大な時間がかかりますので、個人的には今後発売される作品をMQAで出して欲しいと思いました。
Explorer2は4万円台とそれほど高価な製品ではないですし、ハイレゾのようにヘッドホンやイヤホンにMQAシールは必要ありません。
MQA音源がどの程度の価格なのかはわかりませんが、手軽に良い音質を楽しむことができるのはメリットになると思います。
Explorer2に話を戻します。
サイズはHERUS+よりも少し長いくらいです。Macとは付属のUSBケーブル(標準 − miniB)で接続しますので特別なケーブルは不要です。
MQA音源だけでなく最大192kHz/24bitの音源にも対応しています。
以上です。
以下の記事もあわせて参考にしてくださいませ。
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