最近、話題になっているMEE audioのイヤホン、Pinnacle P1を試聴レビューして欲しいとリクエストがあったので、聴いてきました。
私自身は先日、愛機のWestone 4Rを手元に戻したばかりなので、イヤホンは買う予定はありませんが、Pinnacle P1はWebで写真を見たときから少し気になってました。
Westoneのイヤホンと形が似てるんですよね。
リクエストには必ずしも応えられませんが、このPinnacle P1は個人的にも興味があったので試聴結果を書いていきたいと思います。
Westone 4Rを手元に戻した話しは以下の記事を参考にしてください。
MEE audio Pinnacle P1
まず、MEE audioというメーカーは初めて聞きました。
MEEという名称は「Music Enjoyment for Everyone」という想いからつけられたようです。
ベタですが、いいネーミングだと思います。
スペックも重要ですが、良い音を届けたいというメーカーの想いは大歓迎です。
こういった哲学のあるメーカーは好きです。
MEE audioの詳細については公式サイトを参照してください。
日本語はこちらです。
MEE audioはすでにM6、M6 PRO、M7Pなどそれぞれの用途に分けて安価な製品を発売しています。
今回紹介するPinnacle P1はMEE audio社の最高級製品となります。
Pinnacle P1にはダイナミックドライバが採用されています。
ケーブルにもこだわりがあるようです。イヤホンというとリケーブルという楽しみ方がありますが、個人的にはメーカーが最高と思う音を届けて欲しいと思っています。
すなわち、リケーブル前提のケーブルを製品に付属するのではなく、最初から最適と考えるケーブルを標準で付属して欲しいと思います。
とはいえ、コアなユーザーのためにMMCXコネクタを採用し、リケーブルが可能となっています。
最適と考えるケーブルを用意しながらもマニアが遊べるようにしてあるのは好感が持てます。
なんだかんだ偉そうに言ってもいじくり甲斐のある製品のほうがマニアは好きですからね。(笑)
装着方法は耳かけ型(Shure掛け)なのかなと思ったら、一般的な装着方法も出来るとこのとです。
写真を見て少し変わった形状だなと思っていたんですが、二つの代表的な装着方法を実現するためだったんですね。
こういったユーザーに選択肢を与える製品作りという点も好感が持てます。
試聴環境
試聴環境はiPhone 6s Plus直です。
ちょっとHERUS+とiPhoneの接続に問題が生じたので、今回はiPhone直という環境になってしまいました。
音源は主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)。
たまにHF PlayerでFLACの96kHz/24bitの音源も聴きます。
試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。
いつもと違ってiPhone直なので少し割り引いて考慮する必要があります。
それと直前まではiPhoneとVE5を直接接続して聴いていました。
Pinnacle P1の試聴結果
Bisso Baba / Bob James
低音の沈み込みはVE5未満W4R以上です。この価格帯ならば十分だと思います。
なかなか上品で落ち着いた音を聞かせますね。ナチュラルな音質でバランスはフラットです。
低音だけでなく、高域もちゃんと表現できていてシンバル音が心地良いです。
解像度はさほど高くないですし、音の分離もさほど高いとは思いませんが、リスニングには向いてます。
分析的に聴くというよりも音楽全体を気持ちよく聴かせるタイプの製品ですね。
全体的にはウォームなです。キレも適度にありますがウォームです。
At The End Of The Day / Les Miserables
冒頭のパーカッションの高音は細かく出てます。きちんと分離も出来ているのには驚きました。
オーケストラの迫力はそれなりに表現できてますが、音の強弱はあまり表現できてません。
中域に厚みがあります。このおかげでオーケストラの迫力が出ているのでしょうね、
冒頭のパーカッションと同様に、コーラスも細かく聞き取ることができました。
高域、中域、低域と全域ともにバランスよく音が出ている割に聞きやすいです。
Flesh and The Power It Holds / Death
この曲にも合います。
中域が厚いのでメタルのノリはよく出ます。
逆に高域はやや狭苦しく感じました。VE5や222に比べると上まで出てないという印象です。
音の反応も今ひとつで222に比べるともっさりと感じます。
とはいえ、最初に述べたようにこの曲も気持ちよく聴くことが出来ました。
あくまでも細かく聴くとVE5や222に比べて劣るなと感じた次第です。
Thunderstruck / AC/DC
冒頭のギターパートでは音場はそこそこ広いと感じました。空間作りもうまいです。
特にギターパートの後にバスドラが加わる部分の空気がいいですね。
各楽器が入ってきてからは、それぞれの楽器の位置が把握しやすく、奥行きがあると感じました。
We Are One / Kelly Sweet
密度の低い曲を聴いてみます。
曲の持つ雰囲気はよく出ています。特にこの曲の特徴である女性ボーカルの艶を良い感じに表現してます。
ベース音は沈み込みも良く、響き方もいいです。低域だけでなく高域のシンバルもシャキッとしていていいですね。
低域はもう少しキレがあって解像度が高くてもいいと思いますが、この価格であれば充分ですし、キレよりもウォームに聴かせるのはこの製品の特徴だと思います。
Eighteen Angels / Michael Monroe
この曲を聴いてハードロックは特に合うと感じました。ノリがよくでてます。
少しこもりぎみなところもありますが、高域の空間が広く、抜けがいいタイプの製品ではないので仕方がないかなと思います。
まとめ
今年のイヤホン選びで聴いたMASTER & DYNAMICのME05 BRASSと似てるなと思いました。
ただし、ME05は独自の味つけをするのと違って、Pinnacle P1はあくまでも正確かつナチュラルな音を出すのが特徴です。
Pinnacle P1は他の製品と比べて、優等生のように正確かつナチュラルな音を聴かせるのが魅力と感じました。
そういう意味ではWestone 4Rとも似ているんですが、Westone 4Rは高域が乾いていて中低音がウォームです。Pinnacle P1は高域もウォームなので、聴感上は結構な違いがあると感じました。
前述の通り、ME05のほうが近いという印象です。
低域についてはVE5ほどではないにしろ、この価格であれば充分に出ていると思います。
また、中域は分厚いのでどんなジャンルもそつなくこなすと感じました。
結論としては、細かいことにこだわらずに、いろんなジャンルの音楽を気持ちよく聴くには最適な製品だと思います。
装着感はWestone 4R並に良かったです。本体は少し重たいのですが、許容範囲です。
iPhoneの音量は100%で聴いても物足りなかったので、能率は今ひとつですね。
間にアンプをかませるか、出力の強いDAPにつなげばもっとPinnacle P1の能力を引き出せると思います。
HERUS+があればおそらく印象はもっと良くなっていたでしょうね。
標準のケーブルは太いですが、絡みにくそうです。タッチノイズはありませんでした。
遮音性も高く、音漏れもほとんどしないと思います。
個人的にWestoneとShure以外のメーカーでここまでの装着感と遮音性を得たのは初めてでした。
Pinnacle P1を聴いた直後にFX750を聴いてみました。
FX750はPinnacle P1よりも能率がいいので、85%の音量で聴くことが出来ました。
iPhone直で聴くなら音量をあげられる分、FX750のほうが有利です。
Pinnacle P1は出力の高いアンプかDAPを使うのが前提の製品と感じました。
音質的にはFX750、ME05とは好みの差かなと思います。
ME05は中域が厚いという点で共通していますが、味つけもするタイプなのでより正確でナチュラルな音を求めるならばPinnacle P1のほうが合うと思います。
FX750とPinnacle P1の比較は非常に難しいです。
FX750はどちらかというと低域が強いので、中域が好きならPinnacle P1のほうが合うと思います。
FX750やME05に比べるとリケーブルは出来ますし、装着方法も選ぶことが出来るのは大きなメリットです。それとデザインと質感がいいのもPinnacle P1のメリットですね。
特に質感はとても良かったです。
私は耳掛け型(Shure掛け)が落ち着くので、FX750とME05よりもPinnacle P1を選ぶでしょうね。
今回は以上です。
何度か話に出てきたFX750とME05の試聴結果については以下の記事を参考にしてください。
Westone 4Rについては以下の記事を参考にしてください。
コメント
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