HIFIMAN Edition S
続いてHIFIMAN社のEdition Sです。
前述の通り、HIFIMANのEdition Sは密閉型と開放型を切り替えて使うことができる面白い製品です。
価格も三万弱とそれほど高価ではありません。
ヘッドホンを外で使う私にとって、折りたたみができるというのもポイントが高いです。
写真はプレートを取って開放型にした状態です。
プレートをはめると密閉型に変身します。
プレートの取り外しは容易でマグネットによって密着するようになっています。
詳細はメーカーの公式サイトを参考にしてください。
なお、今回は密閉型の状態で試聴しました。
私はヘッドホンをほとんど外で使うため、密閉型で使う場面が多いためです。
開放型だとまた違った音になると思いますので、ご自分の耳で試していただければと思います。
Edition Sの試聴結果
Bisso Baba / Bob James
全体的なバランスは高音寄りです。高域の量が多く、中域は少ないです。
低音はそこそこの量で沈み込みもそこそこ。
いわゆるVシェイプのバランスですが、低域よりも高域の量が多いです。
音場はそこそこの広さがあり、立体的な表現もうまいです。
高音は粗さが気になることもありましたが、聴きやすい高音です。
リスニング向きの製品だと思いました。
At The End Of The Day / Les Miserables
この曲も高域が多いと感じます。
冒頭のパーカッションも観客の歓声もしっかりと聞こえます。
群衆のコーラスとオーケストラですが、中域が少ないので迫力と音圧は表現できてません。
スカスカというほどではありませんが、ちょっと迫力不足です。
ただ、女性のコーラスパートは解像度も高くてきれいですね。
低域はDT 1770 PROやB&WのP7ほど深く沈み込まないものの、弦楽器の深い低音は表現できてます。ただし、解像度はそれほど高くはないと感じました。
DT 1770 PROだと細かい音も聞き分けられるのですが、Edition Sはぼやけてるという印象です。
Rock the Blues Away / AC/DC
この曲で高音が魅力的です。伸び、開放感、空間的な広がりとどれを取っても快適です。
ただし、やはり中域が少ないのでこの曲でも迫力が足りないと感じました。
Flesh and The Power It Holds / Death
この曲も迫力と音圧は不足していますが、高音が相変わらず魅力的なので前の曲よりは合ってると感じます。
特にギターのヒステリックな音がよく表現できてます。
ただし、音の密度が高くなりますので、高音は少し耳障りに聞こえることもあります。
ここは好みが分かれるところかなと思います。
Rangers / A Fine Frenzy
曲の雰囲気は表現できてますし、女性ボーカルにも合います。
この曲はベースがうねるような低音を出すのが特徴なのですが、中域の量が少ないのでうねりはいまひとつ表現出来てません。
それとベースの低音が高域と独立して聞こえるので、曲としてのまとまりに欠けると感じました。
HIFIMAN Edition Sのまとめ
装着感は良かったです。最近、試聴したヘッドホンの中では側圧が一番強いですね。
本体は軽く、携帯性に優れてます。前述の通り、折りたたむことができるのも良いですね。
デザインはメカっぽいです。質感は普通ですね。高級感や上品という感じはなく、外でガシガシ使うためのデザインと質感と感じます。
音量は14時くらいで充分でした。
同じ日に聴いたAUDEZEのSINEに比べると能率は良いです。iPhone直でもギリギリOKではないかと思います。
遮音性ですが、周囲の音は気になりませんでした。音漏れについては確認できてません。
音質ですが、高域に魅力は感じるものの中域の量が少なすぎて好みに合いませんでした。
高域は広い空間を作り出してくれますが、中域と低域については窮屈さを感じます。
低域の量はそれほど少ないとは感じませんが、もう少し下まで沈み込んで欲しいところです。
また、解像度もそれほど高くないのでベーシストの指使いがわかるということはありませんでした。ただし、低域がボワつくようなことはありません。質はいいと思います。
それと、余分な味つけはせずに素直に、ナチュラルな音を出す点は好感です。
Edition Sは開放型として聴くともっと良い音になるのではないかと思いました。
特に高域は密閉型メインの私があまり聴いたことがない音を聴かせてくれました。
よって、密閉型として外で使うよりも開放型として室内で使うほうがいいんじゃないでしょうかね。
今回の試聴ですが、AUDEZEのSINEは今後も他の製品と聞き比べをしたいと思いますが、オンイヤータイプ且つ密閉型の割に出力が弱いのはデメリットですね。
Edition Sは私の用途と音質的な好みには合わないので候補にはしないと思います。
今回は以上です。
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コメント
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