B&WからP9 Signatureが早くも発売されました。
P7をこよなく愛する私としては聴かないわけにはいかないです。
価格は11万円弱とP7の二倍近いので気軽に買うことは出来ないんですが、もし気に入ってしまったらすぐにでも買うくらいの気持ちで試聴にいきました。(笑)
P9 Signatureとは
スピーカーで有名なBowers & Wilkinsが創立50周年を記念して発売したヘッドホンがP9 Signatureです。
P9という型番の通り、すでに販売中のP7の上位機種となります。
P7と同じようにポータブルで使うことを想定しており、折りたたむことができるようになっています。また、P7よりも高級感のあるポーチが付属し、持ち運びもしやすくなっています。
2017年の初頭にはiPhoneとも直接接続ができるようにLightning端子に対応したケーブルを用意するそうです。先行して購入した方には後から配布をするようですので製品登録をしておくといいでしょう。
製品登録については以下の記事で説明をしましたので参考にしてください。
デザインは賛否両論があるところですが、個人的にはそれほど悪くないかなと思っています。
むしろ、50周年記念モデルなのにP7と同じようなデザインなら興ざめしたかもしれません。
P7のほうがしっくりとくるのは私も同意見ですが、このデザインなら音が良ければいいやと思ったのが正直なところです。
ドライバは新たに設計しただけでなく、ドライバに角度をつけてより快適な音空間を感じることができるようになっています。
P7もスピーカーのような音を出すのが得意だったのでどのような音になってるか楽しみです
重量は413gと重くなっています。
P7 Wirelessが323g、第1世代P7が290gなので、価格だけでなく中身も詰めこんできたんだなと思います。
ちなみに私のもうひとつの愛機、beyerdynamicのDT 1770 PROが388gなので、個人的には問題ないかなと思っています。(笑)
試聴環境
試聴環境はiPhone 7 PlusとHERUS+です。
音源はCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)。
試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。
試聴の直前までは特に音楽を聴いてませんでした。
ただ、前日にP7 Wirelessと第1世代P7の聞き比べをしていたので、P7の音はしっかりと記憶にないってる状態で臨みました。
B&W P9 Signatureの試聴
At The End Of The Day / Les Miserables
一聴してP7と同じ特徴があると感じました。P7をさらにパワーアップしたというメーカーの言葉はそのまま受け取って良さそうです。
高域はP7よりも粒が細かく滑らかです。ただ、量はP7よりもすこし控えめに感じました。
また、P7は中域と低域がウォームなのに対して高域が乾いてるのが特徴だと思ってるんですが、P9は高域もウォームです。
中域はP7とほとんど変わらないように聞こえましたが、解像力は高いです。
P7の中域は暴れん坊なところもすこしあるんですが、P9の中域は暴れないですね。
非常にきれいにまとまってるなと感じました。
低域はP7よりも下まで出てます。
また、量も少し多いように聞こえました。
低域で一番気になったのはドライブするようなところがあることです。
低音がずーんと一直線に伸びるのではなく、ぶおーんと尻上がりになるという印象です。
レ・ミゼラブルのこの曲ではずーんと一直線に伸びるはずなのですこし違和感がありますね。
全体的なバランスですが、中低音寄りはP7と一緒ですが、高域の量が少し減ったので中低音寄りの傾向が強くなったと感じます。
音場は前後左右にさらに広くなってます。
Rio Rush / Fourplay
前の曲よりも合うと感じました。
ただし、気になったのは前の曲と一緒で低音がブンブンと主張しますね。
P7と比べると中低音が強いせいか高域が目立たず開放感が少ないと感じます。
Master of Puppets / Metallica
メタリカはいまひとつでした。
全体的には非常に聴きやすいんですが、聞きやすすぎて刺激が足りないと感じました。
ギターリフのディストーションが丸くなりすぎてしまうので、結果的に刺激が足りないという印象です。
低域と中域の音場、解像力、表現力はP7よりも高いと感じますが、やっぱり高域ですかね。
質と量が違うのが全体な聞き心地に影響をしてるんじゃないかと思います。
P9 Signatureその他の評価
噂どおり結構音が漏れます。
電車の中では使えそうにないので音を気に入ったとしても私が買うことはなさそうです。
装着感は非常にいいです。側圧はP7よりも緩めなのでP7がきつく感じた方でも問題はないかもしれませんね。
重さについては気になりませんでした。
しかし今回は10分程度の試聴でしたし、ずっしりとくるのも確かなので重いヘッドホンが苦手という方は試してみることをお薦めします。
まとめ
前述の通り、結構音が漏れるので私が購入することはなさそうです。
残念ですが、私の場合ヘッドホンはほとんど外で使うのでこのような結論となります。
音の評価は辛めとなりましたが、エージングが済んでいないのでこんなもんかなというのが正直な感想です。第1世代のP7も他の製品と試聴で聞き比べをしたときは日によって違う音を聴かせてので戸惑うくらいでした。
購入後もエージングが済んだかなと思った当たりからさらに良くなったのでP9ももう少し鳴らさないと本性を現さないかなと思います。
とはいえ、エージングが済んでいない状態でも中域と低域についてはP7よりも高い性能と感じました。
音場もP7より広いと感じましたし、B&Wが目指していると思われるスピーカーのような音に近づいてると思います。
それと低音の質も気になりました。
第1世代P7もブオーンと尻上がりになる傾向があるんですが、今日聴いたP9ほど目立つものではありませんでした。
そのおかげで私はどのジャンルにも合う製品として使ってきたんですが、今日のP9はかなり目立ってたので気になりました。
残念だった高域の質と量ですがエージングでどれだけ変わるかが楽しみです。
いくつかあるP7の魅力のひとつに開放的で乾いた高音があると思っていますので、エージングによって高域がどのように出るのかが重要なポイントになるかなと思います。
今回の試聴については正直に感じたことを書きましたが、すこし時間が経ってからもう一回聴きにいきたいなと思います。
音漏れがあるので買うことはありませんが、B&Wが満を持して発表した製品なのでこんなもんじゃないだろうという想いが強いです。(笑)
今回は以上です。
コメント