今年もポタフェス2016冬に行ってきました。
私のポータブルオーディオ環境もだいぶ固まってきたのであまり聴きたい製品はないかなと思っていたんですが、数日前に出展ブランドを見ながらリストアップをしたら結構な数になりました。(笑)
今回も試聴してきた製品の感想を書いていきたいと思います。
試聴には主にCayin i5 DAPとDT 1770 PROを使用しました。特に断りがない場合は、この2製品で試聴をしたと思ってください。
音源はCDからXLDで取り込んだAppleロスレス(ALAC)を使っています。
試聴で使う曲の聴きどころについては以下の記事を参考にしてください。
それでは行きましょう。
AudioQuest NightOwl Carbon
NightOwl CarbonはAudioQuest社が発売する密閉型のヘッドホンです。
セミオープン型で評判の良いNightHawkというヘッドホンがすでに発売されていますが、NightOwlはNightHawkの密閉型バージョンです。
P7愛好家が結構な割合でNightHawkも愛好しているという印象があるので、個人的にも密閉型のNightOwlは聴いてみたいと思ってました。
NightOwlは来年一月半ばの発売が予定されていて、価格は約10万円です。
At The End Of The Day / Les Miserables
冒頭のパーカッションはきれいに再現してくれました。
オーケストラの低音もよく出てます。特に低い音を出す弦楽器の音が良いですね。
全体的に音が細かく、細部も聞き取ることができます。特に良いと思ったのは高域です。
DT 1770 PROよりも細かく開放的な高域と感じました。
音の傾向はリスニング寄りです。細かい音の表現も得意ですが、全体的に聴きやすい音になっています。
Bisso Baba / Bob James
各楽器が生々しいですね。
DT 1770 PROほど低音は出ませんが、適度な深さと量です。
Rio Rush / Fourplay
この曲では音場が広いと感じました。左右前後ともに広いのですが、特に前後が広いですね。
Crush / Kelly Sweet
この曲を構成するボーカル、アコギ、ベースすべての音が生々しいです。
ギターとベースは演奏者の指使いがわかるくらいですね。
低音の広がり方もとても心地良いです。
Flesh and The Power It Holds / Death
音の密度が高い曲を聴いてみました。
中域が物足りなく、迫力が不足しています。
メタル系の音楽には合わないかなという印象ですね。
NightOwl Carbonのまとめ
NightOwlはCayin i5 DAPに直接接続をして聴きました。音量は70前後です。
装着感は柔らかく、イヤーパッドも快適でした。私が聴いたのはbeyerdymicでいうところのベロアパッドのような素材のイヤーパッドです。
合皮パッドもありますが、こちらは聴く時間がありませんでした。
合皮パッドの場合は、低音がより強調されるとのことです。その分、高域はやや控えめになるそうです。
音漏れは多少あります。おそらく私がメインで使っているDT 1770 PROよりも少し漏れる程度だと思います。
頭を振ると位置が少しずれて聴感も変わります。
製品そのものの作りは少し柔らかく感じました。通勤カバンに乱暴に入れるのはちと怖いですね。音漏れもしますので携帯して使うというよりも室内で使う方が良いのかなと感じました。
音のインプレッションですが、全体的に高いレベルの音を聴かせてくれました。
特に高域とHigh Mid(中域の中でも高域に近い帯域)の解像力が高く、生々しい音を聴かせます。この生々しさについては私が聴いてきた中でもトップクラスでDT 1770 PROよりも上と感じました。
音の傾向はモニターというよりもリスニング寄りです。
スピード感はそれほど高くはなく、まったりと聴かせるという印象でした。
Tago Studio T3-01
Tago Studioは初めて聴くメーカーです。
おそらく当社にとっても初めての製品なんじゃないかと思います。
Tago Studioは群馬県高崎市にあるスタジオで、運営責任者の多胡邦夫さんは作曲家でもあり音楽プロデューサーでもあります。
サイトを拝見すると「いい音」に対するこだわりが強いようです。
スタジオを運営しつつ、作曲もプロデュースもしていますのでいい音楽をいい音で届けたいという志の方なんでしょうね。
私、こういう方は大好きです。(笑)
今回のヘッドホンT3-01はTago Studioで使用するのにもっとも適したヘッドホンを目指して開発したそうです。
詳細は以下の公式サイトを参照してください。
それでは試聴結果を書いていきます。
Flesh and The Power It Holds / Death
NightOwlの次に聴きました。
NightOwlよりも中域は出ていますが、DT 1770 PROと比べるとまだ物足りなかったです。
それと音の密度が高いせいか、中域から高域にかけて少し音が粗くなると感じました。
メタル系の音楽を聴くには向かないかなと思います。
Bisso Baba / Bob James
この曲は心地良く聴くことが出来ました。
低域の量は少なめですが下まで深く出てます。
Rio Rush / Fourplay
この曲ではNightOwlと同様に音場もが広く感じられました。特に高域の広がり方がいいですね。シンバル音の生々しさはたまらないものがあります。
Crush / Kelly Sweet
低域がよく締まっています。細かい音も聞き取りやすいですね。
NightOwlに比べるとDT 1770 PROに近い音と感じます。
ただ、全体的に音がよく広がって、音場が広く感じられます。この点についてはDT 1770 PROよりも上ですかね。
T3-01のまとめ
この製品もCayin i5 DAPと直接接続して聴きました。音量は62から65です。
装着感は柔らかく、頭を振ると少しずれます。
音漏れはきちんと確認できませんでしたが、隣で聴いてる方を確認したらほとんど漏れてませんでした。
2017年1月13日の発売を予定していて、価格は54000円とのことです。
ケーブルは1.8mのものが付属するそうです。接続部はきちっとゴムで覆われていて耐久性がありそうです。
音質的にはモニター系の傾向で、特に低域は硬質で締まりがあります。細かい音も聞き取ることができるのは好感でした。
高域は硬質というよりもややウォームです。低域とは違う傾向の音が出るのが面白いなと感じました。
写真をいくつか掲載しましたが、作りはしっかりしてました。
これなら携帯しても大丈夫そうです。
初めての製品にしては音も作りも高いレベルですごいなと感心しました。
まとめ
まずは二つの密閉型ヘッドホンの感想を書きました。
NightOwlですが、個人的には中域の量が少なすぎて好みに合いませんでした。
ただし、前述の通り高いレベルの音を出しますし、聴く音楽のジャンルによっては好みに合う方も多いんじゃないかと思います。
価格も約10万円と高価ですので、私が使用しているDT 1770 PROと開放型ヘッドホンのDT 1990 PROから乗り換えようとは思わないです。
Tago StudioのT3-01はモニター系ながらも心地良く音楽を楽しむこともできる良い製品と感じました。
ただし、中域の量が少し物足りないのと音の密度が高くなるとMid Highが少し雑になるのが気になりました。
価格的に54,000円というのは好印象です。手軽に購入できる金額ではありませんが、音と製品の作りを考えたらバランスは悪くないと思います。
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