今年もポタフェス2016のレポート第2弾です。
本記事では密閉型ヘッドホン2製品の試聴結果を書いていきたいと思います。
試聴には主にCayin i5 DAPとDT 1770 PROを使用しました。特に断りがない場合は、この2製品で試聴をしたと思ってください。
音源はCDからXLDで取り込んだAppleロスレス(ALAC)を使っています。
試聴で使う曲の聴きどころについては以下の記事を参考にしてください。
それでは行きましょう。
PRYMA 01
初めて聞くメーカーです。
PRYMA 01はWorld Of Macintosh(WOM)グループが設立した新ブランドPRYMA(プリマ)の第一作目となるヘッドホンです。
WOMグループのSonus faber社が製造と監修をしています。
製造はイタリアだそうで、見た目もいかにもイタリアという感じですね。(笑)
Flesh and The Power It Holds / Death
中域がえらく分厚いですね。
高域の出方が特徴があって少ししゃりしゃりとした聴感です。悪い言葉を使うとチープに聞こえなくもないです。
低音は下まで出てませんが、量はたっぷりですね。
とりあえず、メタルを聴くにはなかなか合うと感じました。
Bisso Baba / Bob James
この曲でも低音の量が多いと感じます。
その分、高域は少し大人しいです。
全体的にウェットでP7によく似てます。
P7と違うのは高域の出方ですね。P7のほうが量も多く、明るく派手な高音が出ます。
P7も中低音寄りと感じますが、このPRYMA 01はさらに中低音寄りです。
Rio Rush / Fourplay
この曲には合います。
特に中域のギターの音が印象的に聞こえます。
PRYMA 01のまとめ
PRYMA 01はCayin i5 DAPと直接接続をして聴きました。音量は62です。
装着感は良好で側圧はDT 1770 PRO以上、P7以下という感じです。
デザインと質感はとても良いです。
Web上の写真で見たときは派手だなぁと思ったんですが、実物はもう少し落ち着いてると感じました。また質感や作りも携帯するのに問題はないと感じます。
ヘッドバンドの調節方法が変わってます。
一般的なヘッドホンとは違って写真にあるように四段階で調節をします。
ズボンに使うベルトと同じ要領で調節をしますので、少々めんどくさいです。
ただ、この部分のデザインは素直に良いなと感じました。
音質ですが、ウォームという形容が生やさしく感じるくらいウェットです。
私が好きなB&W P7の音を参考にしたのかなと思うくらい中域はよく似ています。
細かく分析的に聴かせるというよりも、音源の魅力的な部分を強調して心地良く聴かせるというタイプの製品ですね。
全体的に解像力はさほど高くないですし、帯域も広くありません。超高音や重低音には期待しないほうがいいです。
ただし、中域は魅力的で分厚くて濃厚な音を聴かせてくれます。
あまりにも分厚いので曲によってはややこもり気味になることもありますが、独特な魅力のある製品だなと感じました。
Meze 99 Neo
次はルーマニアのMezeです。
私自身もMezeの99 Classicsを使用していますが、今回試聴した99 Neoは99 Classicsのハウジングを木材から樹脂製の素材に変更したモデルです。
99 Classicsについては以下の記事を参考にしてください。
At The End Of The Day / Les Miserables
一聴して感じたのは99 Classicsと低音の締まりが違うという点です。
99 Classicsはこれまで私が聴いてきた密閉型ヘッドホンの中でも特殊な音の鳴り方をする製品で、ドライバーはひとつなのにサブウーファーがもうひとつあるような低音の出し方をします。
NeoはClassicsと違ってもっとすっきりと自然な低音が出てきました。
とはいえ、低音の量と沈み込みの深さは変わらないという印象です。
Rio Rush / Fourplay
この曲では99 Classicsとあまり変わらないと感じました。
おそらくソースにそれほど深い低音が録音されていないのでしょうね。
Bisso Baba / Bob James
この曲は低音の深さと量を比較するのに重宝していますが、しっかりと違いが出ました。
99 Classicsよりも99 Neoのほうが明らかに締まりがありますね。
99 Neoのまとめ
Cayin i5 DAPと直接接続して聴きました。音量は50前後です。
装着感や遮音性、音漏れは99 Classicsとほぼ同等と感じました。
製品の作りやデザイン、質感も99 Classicsと変わりはないです。
安心して使うことができるかと思います。携帯性も十分ですが、折りたたむことができるとより安心できるかなと思います。
笑ったのはヘッドバンドに思いっきり「99 Classics」と書いてあったことですね。
何度かメーカーの方と直接メールをした経験があるんですが、かなりルーズな印象があるので、細やかな気遣いや品質を期待してはいけないメーカーなのかなと感じております。(笑)
私自身は日本の過剰な品質至上主義は好きではないので、このレベルで十分です。
なんせ音が良いですしね。
最後に音について言及すると、NeoはClassicsに比べて低音に締まりがあります。
Classicsの低音にも魅力はあるんですが、個人的にはNeoのほうが好みでした。
今のところClassicsは低音がやや不自然で中域にかぶさるように聞こえます。
Neoの低音は中域にかぶることがないですし、キレもスピード感もあります。
高域についてはどちらも大きな違いはなく、NeoもClassicsと同等の質の高い開放的な高音を聴かせてくれます。
となれば、低域が寄り締まっていて中域ともかぶらないNeoのほうが私の好みに近いかなと感じました。
Classicsの音は今のところ気に入っているので早計に結論を出さないようにしますが、Neoに移行する可能性もあります。それくらい99 Neoは良い製品でした。
ちなみにMeze Headphones社のブースでは2017年1月15日まで有効な公式オンラインショップでMeze製品が20%オフになるクーポンコードが配布されていました。
今回、日本での代理店が発表されませんでしたが、来年の1月15日までにはなんらかの発表があり、公式オンラインショップも再開されるのかなと推察しています。
現在の公式サイトは旧代理店のDMRさんが運営しているようですしね。
近日中にリニューアルされるのではないかと思います。
まとめ
前回の記事に続いて二つの密閉型ヘッドホンの感想を書きました。
自宅で使うために開放型のヘッドホン(DT 1990 PRO)を購入しましたが、やはり私にとっては密閉型がメインです。
今回試聴をした4製品についてはMeze 99 Neoの印象が一番よかったです。
Meze Headphones社の音作りが私には合うんでしょうね。
他の3製品ですが、私の好みに合わないだけで音の質は高いと感じました。
昨年のポタフェスで聴いた密閉型ヘッドホンよりも好印象でした。
Meze 99 Classicsについてはもう少し聴いてから判断をしますが、99 Neoがとても良かったので、交代もありかなと考えてます。
今回は以上です。
ポタフェス2016の前の記事については以下を参考にしてくださいませ。
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