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ポタフェス Portable Audio Festival 2016 レポート iFi Audio micro iDSD Black Label、acoustic effect YSM-03/RとYSM-03/R OFC

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ポタフェス2016のレポート第3弾です。
本記事ではiFi AudioのDAC/AMPとacoustic effectのイヤホンの試聴結果を書いていきたいと思います。

試聴には主にCayin i5 DAPDT 1770 PROを使用しました。
音源はCDからXLDで取り込んだAppleロスレス(ALAC)を使っています。
試聴で使う曲の聴きどころについては以下の記事を参考にしてください。

オーディオの試聴によく使う曲と聴きどころ(2015年10月版)
前々からしつこいくらい私がオーディオの試聴に使う曲を紹介していますが、最近少し曲を入れ替えたので、この記事もアップデートしたいと思います。前回の記事は以下を参考にしてください。学生の頃はQueenのBohemian RhapsodyやBod...

それでは行きましょう。

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micro iDSD Black Label

micro iDSD BL本体

ロングセラーで人気のmicro iDSDがブラッシュアップされました。
試聴のために並んでる方も多かったので注目度も高いなぁと感じました。
私は今年、遅ればせながらnano iDSDを購入しました。
iPhoneと組み合わせて外で使うのに重宝していましたが、DAP(デジタルオーディオプレーヤー)のCayin i5 DAPを九月に購入したので出番がすっかり減ってしまいました。
現在は、MacBook Proにつないで据え置きで使うことが多いんですが、ちょっと中域の量が物足りないと感じています。
iFi Audio社の製品の特徴としては、音が澄んでいてクリアというイメージがあるんですが、曲によってはクリアすぎて音の歪み(ディストーション)などの表現はいまひとつと感じることがあります。特にCayin i5 DAPがこの辺は非常に得意なので余計に違いがわかってしまうという困った状況にあります。

持ち歩く機会が減るので前々から欲しいなと思っていたmicro iDSDをいつか欲しいと思っていたところで新しいモデルのmicro iDSD Black Label(以降、micro iDSD BL)が発表されたので私も試聴をした次第です。

micro iDSD BLの詳細については公式サイトを参照してください。

http://ifi-audio.jp/microidsdbl.html

価格が前モデルから据え置きというのも好印象です。
私が好むメーカーにはB&Wやbeyerdynamicがありますが、製品のライフサイクルが長く、価格も大きく上下しないという同じ特徴を持っています。iFi Audioも仲間入りかなと思います。
やはりこういうポリシーを持ってものづくりをしているメーカーのほうが安心感があります。それと三社とも「いい音」に対するこだわりが製品からも伝わってきます。

さて、前置きが長くなってしまいました。
試聴結果にいきます。

Flesh and The Power It Holds / Death

まずは音の密度が高いデスメタルを聴いてみました。
試聴曲の中ではこの曲をnano iDSDで聴くと物足りなさを感じるんですね。
micro iDSD BLで聴いた結果は、まったく問題ないです。
中域が厚くなっていてより迫力が出てます。

Bisso Baba / Bob James

この曲に関しては低音が出すぎるくらいでした。
量もさることながら沈み込みの深さもちょっと出すぎですかね。
高域のシンバルとピアノはnano iDSDで聴いているのと変わらない聴感です。繊細にして音の粒が細かいと感じます。
nano iDSDは繊細で細かくクリアな点が気に入っていますが、少し骨太な音になっているかもしれません。

Rio Rush / Fourplay

この曲でも低音が下までよく出てるなと感じます。
また、中域が厚くなっているとこの曲でも感じました。
曲の雰囲気はよく出ていて中域と低域の音の広がり方が心地良いです。

Crush / Kelly Sweet

この曲では全体的に音がより生々しくなると感じました。
nano iDSDだと硬質な音という印象があるんですが、少しウォームな聴感に変わりますね。
中域の量もさることながら、ウォームな部分が出てきたというのも変化点と思います。

micro iDSD BLのまとめ

micro iDSD BLはiPhone 7 PlusとDT 1770 PROで聴きました。
最初は汎用的なUSB変換アダプタで接続をしていたのですが、途中から代理店の方がiPurifier2で接続をしてくれました。
それとmicro iDSD BLには「3D+」と「XBass+」という機能が搭載されています。
「3D+」は音場を広げ、「XBass+」はより引き締まった低音にするという効果があります。

iPurifier2

iPurifier2を接続

今回の試聴ではiPurifier2を接続したのと「3D+」と「XBass+」はOnにして聴きました。
素の状態のmicro iDSD BLとは少し違うと思いますのでご了承ください。
「3D+」はOnの状態が好みに合いました。「XBass+」は曲によりけりですね。
「より引き締まった低音」というよりも少しブーミーになってしまうので「XBass+」は好みが分かれるところかなと思います。
「3D+」と「XBass+」をOffにするとnano iDSDと似た音になります。

micro iDSD BL側面

micro iDSD BL側面

micro iDSD BL裏面

micro iDSD BL裏面

micro iDSD BLはアナログアンプ部のチューニングを見直したそうですが、大きな変更点として音の線が少し太くなったのと済んだ繊細な印象からリスニングに適したウォームな傾向に少し変わったと感じました。
個人的にこの変化は大歓迎でより好みに近づいたと感じますが、これまでmicro iDSDやnano iDSDといったiFI Audioの製品を愛好してきた方の耳にどう写るのか興味があります。
「micro iDSDのままでいいや」と感じる方もいるのかなと思っています。

Cayin i5 DAPと比べると適度に骨太な音ながらも全体的に音は澄んでいて繊細と感じました。線が細いがパワー不足とは感じない。

micro iDSD BLの感想は以上です。
来年はnano iDSDからmicro iDSD BLにステップアップしたいと思いますが、お金を貯めてからなので6月頃ですかね。のんびりマイペースで環境を良くしていこうと思います。

acoustic effect YSM-03/RとYSM-03/R OFC

YSM-03/R

次はイヤホンです。
前から聞いてみたかったacoustic effectのイヤホンを二つ聴いてみました。
まずYSM-03/Rは全体的に高域が不自然に感じました。
以下はYSM-03/R OFCの試聴結果です。

Crush / Kelly Sweet

YSM-03/Rに比べると低域が少し減った感じですが、高域はYSM-03/R OFCのほうが聴きやすくていいですね。
YSM-03/Rで刺さっていたボーカルも刺さらなくなりました。

Rio Rush / Fourplay

スネアのアタック音が自然でいいですね。ベースの音も広がりがあります。
バランスはフラットに近いと感じます。音の傾向はクセがなく自然で細かくひとつひとつの音を聞き分けることもできますがリスニングに適していると感じました。
最近の私の好みのチューニングですね。

私がメインで使っているWestone 4Rに比べると帯域は少し狭いと感じました。
超高音と重低音はそれほど出ないですね。
低音に関してはYSM-03/Rのほうが沈み込んでいたと感じます。

Titanium ft. Sia  / David Guetta

姪っ子のためのイヤホンを選んだときに試聴でよく使った曲です。
低音がどれくらい出るかとSiaのボーカルが刺さらないかを確認してみました。
低域はキレがあってよく締まりますね。スピード感もあって好みです。
Siaのボーカルも刺さることはありませんでした。

YSM-03/RとYSM-03/R OFCのまとめ

YSM-03/R OFC

2製品ともCayin i5 DAPと直接接続して聴きました。音量は36です。
私は耳がけ(Shure掛け)タイプのイヤホンじゃないと安定した装着感が得られないのですが、2製品とも装着感は悪くなかったです。
頭を振っても問題がなかったので、常用もできるかなと感じました。
ケーブルはタッチノイズがなく絡みづらいです。少し細めですかね。
プラグは一般的なプラグに見えました。
2製品ともにリケーブルが可能でコネクタは独自仕様だと思います。
Fitearのコネクタによく似ていて扱いやすいなと感じました。

YSM-03/R

デザインはシンプルで無骨という印象です。非常に割り切ったデザインですね。
質感は少しプラスチックっぽいんですが、軽いこともあって気になるほどではありませんでした。

音ですが、YSM-03/Rは高域がダメでした。YSM-03/R OFCは問題ありませんでした。
2製品とも似たような傾向の音ですが、高域の違いは大きいと感じます。
低音はYSM-03/Rのほうが量が多かったのですが、YSM-03/R OFCでも十分と感じました。

価格は帰宅をしてから確認しましたが、YSM-03/Rが44,000円(税抜き)でYSM-03/R OFCが49,000円(税抜き)です。
個人的には少し高いかなぁというのが正直なところです。 

ポタフェス2016 その他

その他ではクアルコムさんのブースに寄って話を聞いてきました。
クアルコムさんではBluetoothのapt-x HDに対応していた製品を展示していました。
まだ対応製品は少ないのですが来春には製品が徐々に増えていって、来年の今頃には選択肢もだいぶ増えてくるんじゃないかと予想してました。
ワイヤレス規格も引き続き注目していきたいです。

それとブースで教えてもらったのですが、クアルコム社は過去に英国のCSRというチップメーカーを買収しているんですね。
このCSRというメーカーは音声や音楽関連の技術も有しており、このCSRがオーディオ関連のチップ開発を担当してるとのことです。
以下の記事を参考にしてくださいませ。

クアルコム、英国のチップメーカーCSRを25億ドルで買収へ
無線チップ大手のクアルコムは米国時間10月15日、英国のチップメーカーCSRを25億ドルで買収することで合意した。成長する「Internet of Things」(IoT:モノのインターネット)と車載インフォテインメントの分野への事業拡大を...

クアルコムのオーディオチップといえば、DENONが発売をしたDA-310USBでも採用されていましたね。

DA-310USB | USB-DAC / ヘッドホンアンプ | Denon公式
DA-310USBの製品詳細ページです。DSD 11.2 MHz、PCM 384 kHz / 32bit対応USB-DAC搭載フルデジタルプロセッシング・ヘッドホンアンプ。

apt-x HDだけでなくクアルコムの名前を聞くことが増えそうです。

Cayin i5 DAPでお世話になっているコペックさんにもお邪魔してきました。
Cayin i5 DAPのUSB Type-C端子から同軸デジタル出しができる短めのケーブルを会場限定で販売していました。(個数も限定です)
個人的にはi5 DAPの音を変に変えたくないので買いませんでしたが、Mojoなどと接続したいという声が多いようです。
Mojoであればi5 DAPに負けないパワーがありますので、また違った音を楽しめそうですね。

Cayin社の今後についてはi5 DAPとりも小さいエントリーモデルを開発中とのことです。
また、その次には上位機種を開発する予定だとか。
Androidベースにはならないんじゃないかとこです。個人的には残念(笑)ですが、良い製品を期待しています。

イヤホンとカスタムIEM用のケーブルでお世話になっているEffect Audioさんのブースにも行ってきました。
Vision EarsのVE5と組み合わせると装着感が悪くなってしまうことを伝えたら、耳のカーブに合わせて曲がっている部分をドライヤーで暖めてから自分の耳に合うように曲げるようアドバイスを頂きました。

Effect Audio ARES II+

このコネクタに近い部分は、熱収縮チューブで覆われているようなのでここを調整しなさいということです。
相変わらず手先が不器用なのでちょっと心配ですが、一度やってみたいと思います。

まとめ

ポタフェス2016の感想はこれで終わりです。
今回はTwitterのフォロワーさんとまわることができたのですが、詳しい方たちだったので楽しく聴いてまわることができました。自分ひとりでまわっていると気がつかない点も気づきがあったりして非常にためになりました。
何人か新たに挨拶をしたフォロワーさんもいて、一人でまわって頃とは違う楽しみ方ができるようになっています。
みなさま、ありがとうございました。m(_ _)m

新製品と個人的に環境を改善したいと思っているポイントを中心に聴くことができたので有意義でした。

今回は以上です。
ポタフェス2016の前の記事については以下を参考にしてくださいませ。

ポタフェス Portable Audio Festival 2016 レポート AudioQuest NightOwl Carbon、Tago Studio T3-01
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