エレキット社のポータブルヘッドフォンアンプを聴く機会があったので試聴した感想を書きたいと思います。
DAPやポータブルヘッドフォンアンプは店頭で試聴をするのが大変なのでありがたいですね。
エレキット社といえば真空管ヘッドフォンアンプTU-HP01で有名です。
私も何度か試聴をしましたがUSB DAC機能がないため、購入には至りませんでした。
ただ、真空管アンプには憧れがあるので、今年3月のポタアン選びでもGO-DAP TTを試聴しました。
こちらはUSB DACとしても動作するので機能的には申し分ないのですが、VANTAM Redのほうが好みだったので購入はしませんでした。
今年の9月にTU-HP01がTU-HP02になったことは知っていましたが、USB DAC機能がないということで残念に思っていました。
iPhoneをDAPとして使用している私にとってUSB DAC機能は重要なのですよね。
ちなみにTU-HP01は真空管アンプですが、この記事でレビューをするTU-HP02は半導体デバイスを実装して真空管のような音作りを実現したアンプとなります。
公式サイトは以下を参照してください。
試聴環境
試聴は以下の二つの環境で行いました。
Mac(Audirvana)+TU-HP02+DT 1770 PRO
iPhone 6s Plus+TU-HP02+DT 1770 PRO
最初はMac(Audirvana)で聴いて、次にiPhoneで聴きました。
TU-HP02のGAINはHIGHにしています。
音源はCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)。
MacBook Pro(もしくはiPhone)のヘッドフォン端子をTU-HP02の入力端子に接続。
USB DAC機能はないので、アナログアンプとして使用。
音量はTU-HP02側を最大にしてAudirvanaで調節しました。
Mac(Audirvana)だと65%くらいの音量までしか上げられませんでした。この環境だとDT 1770 PROもちゃんと鳴らせてます。
iPhoneでの試聴ですが、TU-HP02とiPhone双方を最大音量にしました。
もう少しパワーが欲しいところですね。
それでは試聴結果にいきましょう。
At The End Of The Day / Les Miserables
少し低域の量が多いDT 1770 PROですが、フラットに近い音質になりました。
解像度は全般的に高く、冒頭の高いパーカッションの音がきれいに聞こえます。
中域と低域は非常にはっきりと表現されていて解像も高い。
低音については低いところもちゃんとでています。オーケストラの迫力はちゃんと伝わってきますね。
音の強弱の表現がうまく音場も広い。
もう少し温もりのあるリスニング向きの音を想像していましたが、クリア且つ高解像度な音の表現も得意という印象です。
She-Wolf / Megadeth
冒頭のギターリフは硬質で乾いた音質。
全体的にも硬質で乾いた音質で細かい表現もできています。
この曲の低域もちゃんと表現できてますが、VANTAM RedとDT 1770 PROといういつもの環境に比べるとやや物足りなさを感じます。
高域の量と表現力のほうが得意というイメージ。
音の密度が高く、情報量の多い曲ですが、違和感はありません。
ちゃんと再生ができてますね。
ただし、メタル特有の勢いは今ひとつ表現できてないです。
もう少し中低音に厚みが欲しいところですね。
Four on Six / Nathan East
この曲にはとても良く合います。
高域のシンバルとピアノがきれいに鳴りますし、ベースの低域も聴いていて気持ちがいいです。
真空管アンプなのでもう少し温もりがあるのかなと思っていたんですが、キレもちゃんとありますね。
スピード感もよく表現できています。
低域についてはさっきの曲と同じくもう少し厚みが欲しいところですが、この曲に関しては高域にフォーカスをしても気持ちがいいなと感じました。
Shape of My Heart / Jacob Koller
2分45秒の中間部から聴き始めます。
スピード感がしっかりと表現されています。
高域はシンバルの音が「しゃらしゃら」と鳴るくらい滑らかで粒が細かいです。これは気持ちがいいですね。
ピアノも良い感じで調和できてます。
低域の量が少し物足りないのはこの曲でも感じました。
とはいえ、DT 1770 PROは結構低音の量が多い製品なのでちょうど良く調節をしてくれている感じもあります。
Come Sail Away / STYX
冒頭のピアノとヴォーカルによる空気感はよく表現できてます。
この部分をもっともうまく表現してくれたのはiPhone+VANTAM Red+AH MM400なんですが、それに近い表現力ですね。
全域にわたって解像度も表現力も高いのですが、どちらかというと高域に魅力を感じます。
すっと上に広がる開放的な高域を表現してくれるのでP7の高音にも少し似ています。
奥行きがあるのも似てますね。
この曲は古い音源なので特に高域で音の粒が割れたりするんですが、そこも忠実に再現されてます。
DT 1770 PROも音源の音をそのままに表現するので脚色はしないタイプの製品かと思います。
4分45秒過ぎではシンバルの音が割れて聞こえたりするんですが、意外と気持ち良く聴かせてくれました。
耳につくというようなことはありません。
Crush / Kelly Sweet
音の密度が低いまったりとした曲も聴いてみます。
高域、中域、低域ともにいい感じです。
特に低域のベースが魅力的な曲なのですが、キレのあるいい音を聞かせてくれます。
包み込むような温もりのある表現もP7をiPhone直で聴くときほどではありませんが悪くないです。
2分30秒過ぎのシンバルも耳につかないですね。
高域の量が多いにも関わらず、細かく滑らかに聴かせてくれます。
次ページからiPhoneでの試聴結果を書きます。
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