久しぶりの気ままに試聴シリーズです。
今回聴いてきたのはヤマハのHPH-MT7とADL H128です。
密閉型のヘッドフォンについては2015年の秋に購入したbeyerdynamic社のDT 1770 PROが気に入っていて、現在ではメインで使っているのですが、携帯性はいまひとつのため、もう少し携帯性の良いものがあればなと思っています。
以前、B&W P7の代わりに購入しようと決意したDENONのAH-MM400がちょうど良いのですが、iPhoneに直接接続した状態だと少し音量が取りづらいことに気がついて再び迷っています。
それとカスタムIEMのVE5を買ってしまったので予算がないんですよね。(笑)
試聴環境
iPhone 6s PlusとVANTAM Redという組み合わせで聴きました。
音源は主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)。
たまにHF PlayerでFLACの96kHz/24bitの音源も聴きます。
試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。
なお、今回は直前までiPhone 6s PlusとVANTAM Red、DT 1770 PROで聴いていました。
YAMAHA HPH-MT7
HPH-MT7はプロ向けのスタジオモニターヘッドホンです。
密閉型でサイズも小さく、外に持ち歩けないことはないかなと思います。
残念ながら折りたたみ機能はありません。
詳細については公式サイトを参考にしてくださいませ。
At The End Of The Day / Les Misérables
一聴してこの曲にはよく合うなと感じました。
音の粒の細かさ、オーケストラの迫力、スピード感、音の分離、高音のきれいさ、どれをとってもいいですね。
解像度もモニターらしく全体的に高いです。
音場と奥行きはそこそこの広さです。P7やDT 1770 PROほどの広さはありません。
全体的にモニターらしい音ですが、音質が非常にクリアなため、リスニング用途にも使えるくらい快適です。
いわゆる刺さりや聴きづらさは感じません。
低域は量が少ないです。
ヴォーカルとコーラスの表現は正確でコーラスも細かく分離できてます。
Bisso Baba / Bob James
この曲では良い低音が出ます。超低域も問題なく出ていて耳とドライバの間の空気が震えるのがわかります。
広域は上方向に伸びていって気持ちが良いです。
こもりはなく、非常にクリア。
この曲ではDT 1770 PROと同程度の音場の広さを感じました。
ただし、DT 1770 PROとの比較では解像度が少し低いのとバランスが高音寄りです。
Flesh and The Power It Holds / Death
この曲では高域が少し雑になります。特にシンバル音がつぶれたように聞こえます。
それと高域が全体的にややうるさいです。
Rock the Blues Away / AC/DC
冒頭のギターとドラムスの部分はシンバルがきれいで空間の表現もできています。
ドラムのアタック音もいいですね。
コーラス部分の手前から曲が盛り上がって音の密度が上がるんですが、全体的に音が粗くなりました。
前の曲でも感じましたが、音の密度が上がって情報量が増えるのは苦手のようです。
バランスとしてはこの曲でも高音寄りに感じます。
ADL H128
続いてはFURUTECH社ADL(Alpha Design Labs)ブランドのヘッドフォンH128です。
FURUTECH社はオーディオ関連のケーブルやコネクタ、電源などのパーツを製造しているメーカーです。
H128の詳細は以下を参考にしてください。
At The End Of The Day / Les Misérables
解像度は全体的に高いです。
オーケストラの中低音がいい響き方をします。
特に低音の響き方がとても魅力的ですね。フワッと温かく包むように広がります。
コーラスとヴォーカルも良い感じに聞こえます。
前に出すぎず引っ込みすぎず。分離も良くされているという印象。
Bisso Baba / Bob James
この曲の強烈な低音がちゃんと再現されます。
耳とドライバの間の空気がわずかに震えるのがわかります。
全体的に解像度は高いですが、低域は量はあるものの、細かい音が少し聴きとりづらいです。
高域は上までよく伸びます。乾いた音質ではなく少しウェットですね。
DT 1770 PROと比べると中域がきれいで量も多いです。
No More Tears / Ozzy Osbourne
冒頭のベースは音がとても良いです。
ギターが入るとやや耳につきます。この曲では中域の量が多すぎるという印象です。
高音と低音が聴きとりづらくなります。
この曲ではギターの音が派手で目立つように感じました。
音場の広さはそこそこですが、DT 1770 PROほどではありません。
中域の表現が豊かなので奥行きは広く感じられます。
Rangers / A Fine Frenzy
低音よりも中域が前に出てくるため、特にヴォーカルが目立ちます。
そのせいかこの曲のもつけだるい雰囲気がいまひとつ伝わりません。
まとめ
HPH-MT7はモニターの名に相応しく、解像度が高く正確な音を聴かせてくれました。
全体的なバランスはやや高音寄りです。
音質は全体的に乾いた傾向ですが、聴きづらさは感じませんでした。
リスニング用途にも十分使えるかと思います。
音の密度が高い曲では表現が雑になりました。
ゆったりとしたクラシックやジャズを聴くには申し分ないと思いますが、メタル系の音楽は苦手かなという印象です。
装着感は良く側圧は緩め。本体も軽いので長時間装着をしても問題ないかなと思います。
デザインは写真の通り、スタジオモニター然としていますが質感は良かったです。
二万円強の価格からすると音質もデザインもなかなかいいと思います。
ADLのH128も基本的に解像度が高く、正確な音を出すという印象でした。
ただ、こちらの音質は乾いてるというよりもウェットで温もりがあります。
硬質な音よりも柔らかい音が得意という印象です。
中低音については結構好みの音なんですが、中域、特にハイミドルの量が多いため、私の好みには合いませんでした。
装着感は良かったです。頭を振っても外れるようなことはありませんでした。
遮音性も優秀です。側圧は普通でした。
音量についてはiPhone直だとMM400より少し大きいくらいですね。
ADL H128はケーブルもFURUTECH製なので品質が良さそうなのはメリットです。
2製品とも良い製品だと思いますが、好みに合いませんでした。
私の場合、音楽のジャンルの幅が広い上に、P7とDT 1770 PROを聴いてから耳が肥えてしまったので要求が多いですね。(笑)
今後はなかなか好みに合う製品は出て来ないのかなと少々心配になります。
ジャンルによってヘッドフォンを使い分けることも考えてるんですが、最近もAdeleにThe Darkness、Bob James、Dream Theaterをシャッフルして聴いてるので使い分けもなかなか難しいです。
今回は以上です。
以下の記事もあわせて参考にしてくださいませ。
2015年秋のヘッドフォン選びをまとめました。
現在主力となっている2製品を聞き比べました。
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