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映画と音楽 クイーンの映画『ボヘミアン・ラプソディー』の感想

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Queen
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ネタバレ

ここからはネタバレになる感想です。

事実と違っていてもいいと思ったシーン

ライブエイドの前にフレディがブライアンとロジャー、ジョンにエイズであることを告白するシーンです。私が知るかぎり、事実はまだあきらかにされていませんが、フレディ自身がHIVに感染していることを知ったのが1986年か1987年と言われています。ブライアン、ロジャー、ジョンに伝えたのはアルバム『The Miracle』を制作しているときと言われていますね。ライブエイドは1985年の7月に行われたので、この時点でフレディがメンバーにエイズであることを伝えていた可能性は限りなく低いです。
ただし、映画のエンディング(すなわちライブエイドのパフォーマンス)を盛り上げるための演出と考えれば仕方がないと思います。むしろ映画としてはいい演出ではないでしょうか。

もっとも私が盛り上がったシーン

映画の中で初めて四人で演奏をした”Keep Yourself Alive”のシーンです。演奏前にフレディがモタモタしていたり、観客が蔑視の目でフレディを見ていたので「一発かましたれ!」と心の中で叫んでました。そして曲の中盤頃にはガッツポーズをしました。(笑)

ライブエイドに感動

映画で観たライブエイドのパフォーマンスはとにかく素晴らしかったです。もちろん、本家のほうが好きですが、本家以外でここまで再現できたのはすごいことなんじゃないかと思います。
まず、生々しさが良かったですね。本家よりも映像記録技術がはるかに向上しているので、自分がステージ上にいるかのような錯覚を覚えました。
観客の見せ方もすごかったです。ライブエイドのセットは飛行場に作ったそうですが、観客を務めたエキストラは900人くらいだったそうです。実際にライブエイドの日にウェンブリースタジアムに集まったのは7万2千人なので、よくぞ900人をあの迫力のある大観衆に見せたなと感心しました。

物足りなかったエンディング

これは本当に細かい点で申し訳ないんですが、クイーンのライブは”God Save the Queen”で終わるのが当たり前だと思っているので、エンディングロールの後に”God Save the Queen”が流れるのを期待しちゃいました。結果的には流れないので消化不良です(笑)
オープニングの20世紀フォックス・ファンファーレが凝っていただけに”God Save the Queen”がなかったのは残念でした。

ギターの音

私はIMAXで観たんですが、ライブエイドのシーンで記憶にないギターの音がいくつか聞こえてきました。IMAXの音が良かったから聞こえたのか、映画用に追加で録音をしたのかどうかは不明です。とにかくいつも見聞きしてるライブエイドのギターよりも音の数が多かったと感じました。

ボーカルの処理のうまさ

映画を観る前から、フレディ役のラミは口パクで本物のフレディの声が映画では使われているという情報がありました。
しかし、映画を観るといつも聞いてる声とは違うので戸惑いました。後から調べたら、Queen ExtravaganzaでボーカルをつとめたMarc Martelの声も使っていたんですね。
Queen Extravaganzaはクイーンが公認したトリビュートバンドで、オーディションにはロジャー・テイラーも審査員として参加しています。Marc Martelは声質も歌い方もフレディによく似ています。
曲によって違うと思いますが、映画ではフレディ、ラミ、Marc Martelの三人の声がうまくミックスされているというわけですね。この三人の声を違和感なくつないだ技術もすごいなと思いました。

フレディが悪者になってるね

映画ではフレディが一方的に悪者になっていて、ライブエイドの前にバンドに謝罪をするというシーンがあります。
ここはさすがに違和感がありました。というのもフレディの前にブライアンとロジャーはソロ作品を発表しています。フレディだけがソロに走ったわけではありません。アルバム『The Game』からシングルカットされた曲のうち、大ヒットとなったのは”Crazy Little Thing Called Love”と”Another One Bites the Dust”の2曲で、作曲者はフレディとジョンでした。『Flash Gordon』を挟んで次のアルバムとなった『Hot Space』はHR上ディとジョンの意向が強く反映されましたが、ブライアンとロジャーには不満が残りました。売れていればまだ良かったんでしょうが、世界的に『Hot Space』の評価は低調でした。

そんなわけでメンバー間の空気はかなりギクシャクとしていて、解散してもおかしくない状態でしたが、フレディの言動だけが原因ではなく、バンドの方向性やメンバー間の音楽性の違いも大きく影響していました。映画で裏切り者のように描かれたフレディの付き人Paul Prenterが雇われたのは1980年からと言われています。ちょうど『The Game』の頃からで、Prenterがフレディとメンバーが接触するのを妨害したのも事実のようです。
こういった様々な要因があってクイーンというバンドが崩壊しそうな局面を迎えたというのが私の解釈です。映画で描かれたのとはちょっと違うかなと思います。
さらに金銭的なトラブルも抱えていました。後にすべての曲をクイーン名義とするのもこういった理由があります。

見つけられなかったカメオ出演

現在、Queen +のボーカリストとして活躍しているアダム・ランバードがカメオ出演していると聞いていたので、かなり注意深く見ていたのですが、最後までわかりませんでした。
結局、フレディが電話をしている場面で色目を使った運転手がアダムだったんですね。恥ずかしながらまったく気がつきませんでした。何度か映画館で見る予定なので次は注意をして見てみます。

今回の記事は以上です。

コメント

  1. 先濵裕行 より:

    最後まで読みましたよー。
    そうだね、確かにロジャーとブライアンもソロアルバム出してたね。
    フレディーのワンマンバンドのように映画が描かれてるのには少し疑問が残る。

    劇中歌に少し違和感を感じた理由も分かりました。

    ありがとう!

  2. […] 余談ですが、映画の『ボヘミアン・ラプソディ』の製作にあたって誰がフレディーを演じるのかということに一番注目していましたが、次に注目していたのはロジャー役です。というの […]

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