少し遅くなりましたが、2015年12月にオーダーしたカスタムIEMのVision Ears VE5について、他の製品の試聴結果とVE5を選んだ過程をまとめておきたいと思います。
経緯
今回のカスタムIEM選びは2015年で2回目となりました。
さすがに1年で2つのカスタムIEMは多いだろうと思っていたので、ふたつめのカスタムIEMは2016年の3月にオーダーして6月か7月頃にできあがってくればいいくらいに思っていたんですが、諸事情があって早くオーダーすることになりました。
よって、ちょっと紛らわしいのですが、2015年はカスタムIEM選びを二回やったということになります。
1回目のカスタムIEM選びについては以下の記事を参考にしてください。
私にとって初めてのカスタムIEMとなったFitEar Private 222は音質、使い勝手ともに満足のいくものでした。
これまで使ってきたユニバーサルタイプのイヤフォンに比べて装着感が良く、音漏れの心配もしなくて良いというのがカスタムIEMに感じている一番の魅力です。
これまでユニバーサルタイプのイヤフォンは装着感に悩まされてきましたが、カスタムIEMは自分の耳にしっかりとフィットし、頭を振ったくらいで位置がずれることはありませんし、音質が変わることもありません。
遮音性は優秀すぎるくらいです。
いつも書いていますが、外の音が聞こえないと危険もありますので、遮音性はあまりこだわらないのですが222は想像していた以上に遮音性が高く、最初は戸惑いもありました。
私は外で音楽を聴くときは密閉型のヘッドフォンをメインで使うのですが、夏場はイヤフォンを使用します。
最近は年をとったこともあって春や秋の暖かい日にヘッドフォンを使うのがつらくなってきました。こういう背景もあって2015年は10月までFitEar Private 222が活躍しました。
今後もこの傾向は続くと思いますので、カスタムIEMの稼働率が上がることを考えて222とは違う音質のカスタムIEMが欲しくなりました。
222はモニター系の音なので、目指すのは「B&W P7のような音を出すカスタムIEM」です。
ヘッドフォンとカスタムIEMはそもそも構造がまるで違うので同じような音を出すのは無理ですが、少しでもP7に近いカスタムIEMが欲しいなと思って選定を始めました。
価格は漠然と15万円前後と決めていました。
気ままに試聴をした製品
今回もかなりの数のカスタムIEMを試聴しました。
すべて試聴機ですので完成品とは微妙に音が違うとは思いますが、1本目のカスタムIEMの222は試聴機と完成品の音がとても近かったこともあって可能なかぎり試聴をすることにしました。
1964 V8
まずは1964EARSの1964 V8です。
1964EARSはQiというモデルを前に試聴していてとてもいいイメージをもっています。
前回のカスタムIEM選びではモニター系の音質を求めていたのでQiは落選となりましたが、Qiを聴いた印象ではリスニングに向いていたので、今回は条件が合うと思いました。
V8の試聴結果は以下の記事を参照願います。
V8は期待通り気持ち良く楽しく音楽を聴かせてくれれました。
中低音はやや濃い味つけで高域は乾いたソリッドな音という印象でした。
B&WのP7の魅力とひとつと感じている音質だったのは好印象なんですが、縦のレンジの狭さが気になりました。
もう少し高域が伸びて低域が沈み込んで欲しいと思いました。
また、音の密度が低い曲の表現がいまひとつと感じました。
密度が高く情報量が多い曲についてはきちんと表現できていただけに残念です。
音場についても少し窮屈さを感じました。
前後左右にももう少し広がりが欲しいところですね。
1964EARSについてはV6 Stageも聴いてみたいと思いましたが、バタバタとVE5に決めてしまったため、最終的には聴かずじまいでした。
NOBLE 5C
次はNOBLE 5Cです。
NOBLE社も前回試聴をしたNOBLE 4Cのイメージが良かったです。
今回はひとつ上のNOBLE 5Cを聴いてみました。
NOBLE 5Cの詳しい試聴結果については以下の記事を参考にしてください。
NOBLE 5Cは縦のレンジが広く、音場も全体的に広めでした。
高域の伸びが良くて低域もしっかりと沈み込むのですが中域が物足りませんでした。
中域の量が少ないため、曲によっては迫力がなくなってしまうと感じました。
解像度はそこそこですが、音の粒がまろやかになっているわけでもなく少し中途半端という印象を受けました。
次ページに続きます。
コメント
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はじめまして。
私は高知県に住む40代サラリーマンです。
オーディオは幼稚の頃から好きな趣味でこの年齢になっても、ずっとこだわっておりスパイラルしながら年老いて行くのだろうと最近、良く考えます。
突然にメールさせていただきましたのは、ズバリ以下の通りです。覚えてらっしゃる範囲で構いませんのでご意見などご教授くださいましたら幸いです。
現在、カスタムはアルティメットイヤーズ11proのみで後はユニバーサルモデルのみを所持しています。
質問ですが所持するユニバーサルモデルにangie2があります。JHの音質は簡単にいうと分厚いと私は感じます。高音は刺さりませんしどちらかと言うと中低音に特徴があると思います。まだ、エージングが出来ていないのかウォームな音色でどちらかと言うと好きな音です。
そこでですが、お手持ちのVE5とangieカスタム両方の音質を聴かれておられる筆者さまの2つの違いを聞きたくメールしております。
勝手申しますが、またお時間ある時にどうぞ、よろしくお願いします。購入前の参考にしたいと思います。
PS:田舎なので首都圏の代理店さんに視聴で来店する事が出来ないんです。。。
坂根さん、コメントありがとうございます。
JHの製品に対する印象は私と合致しているように思います。
中域と低域が分厚くて、芯が太い音を出しますね。
結果的に私はJHを得ラバ買ったんですが、理由は単純で高域が質量ともに物足りなかったのと、低域が跳ねるようなクセがあるところです。
低域が跳ねるというのはロックを聴くときに「ドライブする」などと表現されますが、低音が一直線に出るんじゃなくて、尻上がりに伸びるんですよね。
一方のVision Earsは似ているようで真逆の特徴があります。
VE5は中域が分厚い点でJHの製品と似ていますが、音の出方は音源に素直でクセがありません。結果的にすっきりとした聴感に仕上がってます。
中域が分厚いと言っても高域が犠牲になっていないのも気に入っているところで、上位機種のVE6と変わらない高域を出します。
それとVision Earsの製品全般に言えることなんですが、凹凸や静と動などのメリハリをうまく表現します。
Angieはリスニング系且つ、元気な音という印象ですが、VE5はモニター系とリスニング系をうまく合わせた音という印象です。
どのような音楽をどのように聴きたいかで決まると思いますが、ロック系に限らず、グイグイと引っ張るように聴かせて欲しいならAngieがいいと思います。
比較的中庸ながらも元気な音楽は元気に、落ち着いた音楽は落ち着いて聴かせて欲しいならVE5じゃないかなと思います。
以上です。
VE5ユーザーなのでVE5に対して甘い評価となってしまうことはお許しください。(笑)
まだ、コメントに対する返信は読んでおりません。今晩、自分時間が出来た際に熟読させていただきます。冒頭少し読みましたが音に関して著者さまのように表現される方と出会った事がないので感銘を受けております。専門店…eイヤホンさんのスタッフさんとも良く話しますがここまで細かな表現をされる方が居ないのです。今後、末長くブログをお続けされる事を長いますし、またいろいろご相談させていただけたらなと思います。
坂根さん、返信ありがとうございます。
ゆっくりでOKですよーー。