先日、レビューをしたポータブルヘッドフォンアンプのTU-HP02ですが、VANTAM Redと聞き比べをしてみました。
前回のレビュー記事は以下を参照してください。
私が勝手に「真空管アンプの音」に持っていたイメージはあっさりと崩され、意外にも高域の解像度が高かったり、クリアな音質を実現してるんだなというのが全体的な感想でした。
もちろん、温もりも適度にあって音の粒が細かくても輪郭が丸くて聴きやすいというのはイメージ通りでした。
試聴環境
今回は以下の構成で聞き比べをしました。
・iPhone 6s Plus+TU-HP02+Private 222
・iPhone 6s Plus+VANTAM Red+Private 222
TU-HP02とiPhone 6s Plusはアナログ接続で、VANTAM RedとiPhone 6s Plusはデジタル接続です。
VANTAM Redはいつもの通り、アップサンプリングを最大にしています。
Private 222は能率が良いのでTU-HP02、VANTAM RedともにGAINをLOWにしました。
音源は主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)。
たまにHF PlayerでFLACの96kHz/24bitの音源も聴きます。
試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。
それでは早速聞き比べていきます。
聞き比べ
At The End Of The Day / Les Miserables
VANTAM Redのほうが全体的に解像度が高くクリアだが、高域は同等。
低域はTU-HP02のほうが量が少し多い。またTU-HP02は重低音がよく出る。
音の粒はVANTAM RedがとんがっていてTU-HP02は少しまろやかな傾向。
聴きやすいのはTU-HP02。
She-Wolf / Megadeth
この曲に関しては全体的な解像度と明瞭さにあまり違いを感じませんでした。
わずかにVANTAM Redのほうがシンバル音がきれいで開放的ということですね。
もっとも違いが出たのは低域です。
TU-HP02のほうがギターリフとベースの響き方がいいです。
ずーんという低い音が下までしっかりと出ていて包み込むような表現もしてくれます。
聞きやすさという点ではこの曲もTU-HP02が勝ります。
音の密度が高く、情報量も多いこの手の曲はTU-HP02のほうが合うなという印象です。
Four on Six / Nathan East
この曲でははっきりと違いが出ました。
高域のシンバルとピアノを中心に聴くならVANTAM Redのほうが量が多くて解像度も高くきれいです。
低域のベースを中心に聴きたい場合は、TU-HP02のほうが低域が下まで出て響き方も良いですね。
私はベースを中心に音楽を聴くことが多いので、この曲だとTU-HP02のほうが好みです。
シンバルとピアノもちゃんと表現できてますしね。
Rangers / A Fine Frenzy
前の曲と同じような違いを感じます。
高域はVANTAM Redのほうが特異ですが、低域はTU-HP02ですね。
中域と女性ヴォーカルは大きな違いは感じません。
この曲ではTU-HP02のほうが立体的な音の表現がうまいと感じます。
VANTAM Redだとべったりと平面的な音像になるんですが、TU-HP02は奥行きを感じさせる広い音場を再現してますね。
試聴に使っているPrivate 222の特性もあるので、仕方がない部分もありますが、TU-HP02は音場が狭いカスタムIEMやイヤフォンでも音場を広げてくれるという印象です。
The Millionaire Waltz / Queen
こちらも前の2曲と同様の結果となりました。
TU-HP02は中域と低域がフワッと広がるので音場も広がりますね。
ただし、TU-HP02のレビュー記事にも書いたようにTU-HP02はホワイトノイズが目立ちます。
私自身はアナログレコードで育ったからか、性格が大ざっぱだからかあまりホワイトノイズは気にならないのですが、TU-HP02は私でも気になるレベルかなと思います。
まとめ
サイズはVANTAM Redのほうが幅が小さいです。
高さと奥行きもVANTAM Redが少し少ないですが、ほぼ一緒と思ってください。
重量はVANTAM Redのほうが軽いです。TU-HP02はずっしりとしていますね。
発熱についてはTU-HP02のほうが優秀です。
長時間視聴をしていても熱くなることはありません。
VANTAM Redは何度か書いてるとおり、結構熱くなります。
サイズ的に大きな違いはありませんが、TU-HP02のほうが重く、発熱するのはVANTAM Redです。持ち歩きやすさという点ではどっちにもメリットとデメリットがあります。
音質的にはわずかながら違いを感じることができました。
全体的にVANTAM Redのほうが解像度が高く、明瞭な音質です。
TU-HP02は中域と低音が魅力です。VANTAM Redよりも下までしっかり出ますし、フワッと包み込むような表現もうまい。
音場も広いという印象ですね。
ホワイトノイズについてはTU-HP02によるものなのかiPhoneによるものなのかはっきりしませんが、Mac(Audirvana)+TU-HP02の時には気にならなかったのでiPhoneのLINE OUTからTU-HP02に接続していることに起因しているんじゃないかと思います。
試しにiPhone 6s Plus+VANTAM Red+TU-HP02+Private 222という構成で聴いてみました。
iPhone 6s PlusとVANTAM RedはLightningケーブルで接続し、VANTAM RedとTU-HP02はステレオmini-miniケーブルで接続をします。
ホワイトノイズが完全に消えるわけではありませんが、少し低減されました。
音質については薄い膜を1枚張ったような音になりました。明瞭さに欠けます。
お互いの良いところは出ていると思いますが、明瞭さに欠ける点で個人的には無しと思いました。
これまでiPhoneのDAC性能が今ひとつなために、アンプよりもDACにこだわってきましたが、今回TU-HP02を聴いてみてiPhoneのDACも良くなってきてるんだなと感じました。
ただし、ホワイトノイズが目立つというデメリットもありますのでmini-miniケーブルを品質のいいものに変えるなどの工夫は必要かなと感じました。
今回の聞き比べは以上です。
2015年3月のポタアン選びについては以下の記事を参考にしてくださいませ。
気になっているポタアンのMojoのレビューは以下の記事の通りです。
もうひとつポータブルDACで気になっているHERUS+の記事は以下を参考にしてくださいませ。
コメント
機能が全く違って比較にはなりませんね。
はい、そこは読む方が判断をしてもらえればと思います。
少なくとも私にとっては有用な聞き比べでした。