私にとって2本目のカスタムIEM、Vision Ears VE5が届いて早くも1ヶ月が経ちました。
この1ヶ月間はリフィットに出すかどうかかなり悩んだので、時が経つのが早かったです。
結論としてリフィットに出すのはやめたんですが、ファーストインプレッションからどのように変わったかを書いていきたいと思います。
ファーストインプレッションについては以下の記事を参考にしてください。
音質
結論から書きますね。
VE5の完成品が届いてから7日目あたりで試聴時の音質が出るようになったと感じましたが、この7日目以来、音質はほとんど変わっていません。
最初こそ試聴時と比べて違和感がありましたが、7日目以降は安定していい音を聴かせてくれています。
Vision Earsに関しては試聴機の出来が非常にいいのではないかと思われます。
また、バーンアウト(エージング)もそれほど時間がかかるとは感じませんでした。
完成品が届いてから7日目で70時間ほど鳴らしたら、後はそれほど変化がないですね。
VE5の音質的な特徴は以下の通りです。
- 鮮やかでくっきりとした音像
- 広い音場とレンジ
- 高い解像度とリスニングに向いた音質
個人的にはこの三つが最大の特徴と感じています。
VE5は自然且つ性格というタイプの製品ではなく、上品に味つけをするタイプで、鮮やかでくっきりとした音像は、彫りが深いと言い換えてもいいと思います。
ジャンルをあまり選ぶことなく、音楽の中でもっとも魅力的な部分を強調しつつ、それ以外は控えめに鳴らすという印象です。
最近私がよく聴いているジャズだとベース、ドラム、ピアノ、ギターなど各楽器が主張するパートでしっかりと各楽器の音を強調するように感じられます。
ピアノが主体のパートでもドラマーがシンバルやスネアで小技を入れると、ちゃんと印象的な小技を聴かせてくれます。
この辺は器用だなと思います。
音場はカスタムIEMやイヤホンにしては広いです。
左右だけでなく前後にも広いので奥行きが感じられます。
このVE5は「B&W P7のような音を出すカスタムIEM」を目標に選んだんですが、ヘッドホンのB&W P7と同じというわけにはいきませんが、カスタムIEMにしては同じ傾向の音を聴かせてくれます。
解像度は全域にわたって高いです。
とはいえ、競合をしたMH334やUnique Melody社のMiracle、Maverickほどではありません。
VE5はあくまでもリスニング向けにチューニングがされているので、高解像度や音の分離がいいといったモニター的な性能についてはこれらの製品にはかなわないかなと思います。
ただし、私が好んで使っているDT 1770 PROやB&W P7といった製品と同じようにバランスがいいと感じます。
すなわち、高解像度で音の分離も良いのですが、快適に音楽を聴くことも出来るということですね。
私が所有している製品で言うと、DT 1770 PROとPrivate 222はモニター寄りの製品で、B&W P7とVE5はリスニング向けの製品だと思っています。
もちろん、モニター系の製品であればもっと専門的な製品もありますし、リスニング向けの製品も同様です。
あくまでも私の価値基準の中での評価ですね。
装着感
ファーストインプレッションの記事に書いたように完成品が届いてから一週間くらいは違和感がありました。
装着感がある程度合わないのは我慢できるとしても、音質にも影響していたのでリフィットにだそうと思っていましたが、完成品が届いて3週間ほどしてからは装着感も音質も問題はなくなったので、リフィットには出さないことにしました。
最後の最後まで迷いました。
今回、カスタムIEMはVE5で2本目になりますが、自分の耳がカスタムIEMに合わせるという感覚を初めて味わいました。
Private 222をリフィットに出したときも店員の方に「もう少し様子を見ては」と言われたのですが、その理由がようやくわかりました。
カスタムIEMの場合、多少装着感が合わなくても自分の耳が合わせることがあるので、様子を見るのもひとつの手段であるということですね。
さて、VE5をリフィットに出さないと決めたのはいいのですが、困ったことにVE5がフィットするようになったらPrivate 222の装着感がおかしくなりました。
一体、どっちが自分の耳に合ってるのかわからなくなってしまいました。(笑)
私が過剰に装着感にこだわるのと、特殊な耳の形状をしているのが災いしていると思いますが、カスタムIEMといえども万能ではないのだなと感じました。
ユニバーサルタイプのイヤホンで装着感に悩んで、カスタムIEMに流れてきましたが、カスタムIEMだからと言って必ずきれいに自分の耳にフィットするわけではないのかなと感じます。
ユニバーサルイヤホンの場合、自分の耳にあうイヤーピースを探したりしますが、音質が変わることもあります。
これと同様にカスタムIEMも微妙な装着感の違いによって音質が変わります。
もう少し粘り強くリフィットをすればPrivate 222もVE5もバッチリ合うようになるんだと思いますが、複数のカスタムIEMを使う場合は、リスクもあるんだなということがわかりました。
同じメーカーならばこういったリスクは低減できるのでしょうね。
遮音性と音漏れ
完成品が到着してから遮音性と音漏れには悩まされていません。快適です。
遮音性については1本目のカスタムIEMのPrivate 222のほうが高いです。
私はカスタムIEMをほとんど通勤や外出先で使用するので、遮音性が高すぎるのも危険だと思ってます。
Private 222はやや高すぎると思っていたので、VE5くらいはちょうど良いですね。
ケーブルとコネクタ
ファーストインプレッションでも書いたようにケーブルは絡みやすいです。
また、2pinのコネクタもかなり固いです。
一度だけ本体からケーブルを抜きましたが、それ以降は抜いたことがありません。
VE5用のケーブルに回す予算も今はないので、引き続き純正ケーブルのままでいこうと思います。
妙に音を変えたくないというのもあります。(笑)
デザイン
音質以上に満足しているのはプレートの美しさです。
開封の儀の記事にも書きましたが、Vision Earsのウッドプレートは想像していた以上にきれいです。
シェルはFitearのPrivate 222のほうが透明感がありますが、VE5のシェルも許容範囲です。
Vision Earsの特徴だと思いますが、シェルが薄いので本体が小さくて扱いやすいです。
見た目もすっきりとしているのは個人的に気に入っています。
シェル本体が小さいからと言って音質は社村政、音漏れに影響することもありません。
片耳に5つのドライバーを積んでいるのによくこの薄さを実現しているなと感心します。
まとめ
音質と試聴機の出来
もっとも重要な音質が試聴時とほぼ同じなので満足しています。
前述の通り、試聴機とほとんど音が変わらないですね。
試聴機の音を気に入ったのであれば、完成品の音も気に入ることと思います。
装着感
悩みに悩んだ装着感は最終的にリフィットしないことにしました。
現状、音も装着感も快適なのでこのまま使おうと思います。
B&W P7のようなカスタムIEM
2本目のカスタムIEMを探し始めたのは「B&W P7のような音を出すカスタムIEM」が目標でした。
結論から言うとVE5はP7と「濃厚な中低音」「メリハリのあるサウンド」「高解像度ながらもリスニングに最適」という点では似ているものの、P7の広い音場と立体的な空間表現については再現できていないということになります。
ヘッドホンとカスタムIEMの性質上、これは仕方がないと思っていますので個人的に今回の目標については納得しています。
いろんなカスタムIEMメーカーと製品がある中でVision EarsとVE5の音作りは私の好みに合っていると感じます。
昨年の今頃からいろんなカスタムIEMを聴いてきましたが、理想に近いカスタムIEMを手に入れることが出来たので、しばらくはVE5とPrivate 222の体制を維持しようと思います。
今回は以上です。
以下のファーストインプレッションの記事もあわせて参考にしてください。
VE5の開封の儀の記事です。写真が多めとなっています。
最後までどちらにするか悩んだVE6とVE5の聞き比べの記事です。
いまでもどちらが正解だったのかわかりません。(笑)
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