先日、カスタムIEM(VISION EARS VE5)とイヤホン(Westone 4R)用のケーブルを購入しました。
この記事では、試聴をした各ケーブルの印象やEffect Audio社のARES II+を選んだ理由について書きたいと思います。
ケーブルの条件
まずは私がどのようなケーブルを探していたかを説明します。
- 価格は三万円以下
- クセがなく音質を全体的に底上げする
- デザイン
この三つです。順番が上の条件が優先されます。
三万円以下という価格は前々から自分で決めている上限です。上を見るとキリがないので、今のところケーブルにこれ以上の金額を出すつもりはありません。(今のところは・・・)
音質の点では、カスタムIEMもしくはイヤホンの特性をさらに伸ばしつつ、その他の特徴も殺さないという製品を選びました。
私の場合、下流(ヘッドホン、カスタムIEM、イヤホン)で音の傾向を決めるようにしていますので、上流となるケーブルやDAP、DAC、アンプといった製品には妙なクセをつけず、素直に音質を全体的に向上することを期待しています。
今回のケーブル選びも音質的にはこの点を重視しました。
最後のデザインは、いつも通り大きくはこだわりません。あくまでも音質優先です。
ただ、この1年間、いろんなケーブルを見てきてプラグやコネクタがお洒落なのは良いなと思い始めたので最後に加えました。
取り回しが良く、タッチノイズがないというのは当たり前の条件なのであえて書きませんでした。
それと店頭で試聴が出来るのも重要なポイントでした。
私の場合、どういう製品を買うにしろ試聴をして気に入った製品を買ってますので、試聴がなかなかできない製品は選びづらいですね。
イベントなどで試聴が出来る製品もありますが、ああいう場で長々と試聴をするのも気が引けるので店頭で試聴が出来るとありがたいですね。
試聴機はメーカーや店舗の善意で置いてもらっていると認識していますので、店頭で試聴をするときも、特定の製品を一人で占有しないように気をつけています。
周りをキョロキョロ見てるので少し怪しいかもしれませんが、お互いに気持ち良く試聴したいですよね。
試聴をしたケーブル
試聴をしたケーブルは以下の通りです。
- ORB Clear Force
- Wagnus. Blue Moon
- Wagnus. Proton
- Effect Audio EROS
- Effect Audio ARES II
- Effect Audio THOR COPPER
- Effect Audio ARES II+
ORB Clear Forceはイベント(ポタ研2016冬)と店頭で2回試聴をしました。
Wagnus.のケーブル2本もポタ研2016冬で試聴をしました。
Effect Audioのケーブルはいずれも店頭で試聴しました。
ORB Clear Forceと聞き比べることも出来たので割としっかりと比較ができたと思います。
試聴をしたケーブルの印象
ORB Clear Force
Clear Forceはかなり好みに合ったケーブルで今後も購入の可能性があります。
中低音がいい具合に膨らみ、音場が広がります。また、どちらかというとリスニング寄りの音にする傾向にあると感じました。高解像度を求める方には合わないかなと思います。
ひとつだけ気になったのが帯域です。高域が少し狭く、上まで伸びないと感じました。
特にカスタムIEMのFitear Private 222で試聴をしたときに顕著でした。
縦の帯域が広いカスタムIEMのVE5の良さが消されてしまうかなと思いました。
中低音を中心にまったりと聴きたい場合にはいいケーブルですね。
少し硬めですが取り回しが良くてタッチノイズもありませんし、デザインも良かったです。
Clear Forceの詳細な試聴結果については以下の記事を参考にしてくださいませ。
Wagnus. Blue Moon
Blue Moonは前述のClear Forceと似たような音を聴かせてくれました。
中低音の量感が増えて、高音も非常に聴きやすくなります。
低域が下まで出るようになったのに驚きました。
高域はClear Forceと比べるとさらに量が減りました。ただし解像力は高いです。
Blue Moonはケーブルが少し堅めで取り回しが悪いかなと感じました。タッチノイズも少し発生します。
デザインはいいですね。ケーブルも青くて素敵でした。
Blue Moonの詳細な試聴結果については以下の記事を参考にしてください。
Wagnus. Proton
Protonはフラットな傾向の音でした。
全体的に音がクリアになって厚みも増します。音場が広くなり、奥行きも出ます。
特に味つけをせずに全体的に音を底上げするという点で私の好みに合いました。
ケーブルは適度な柔らかさでタッチノイズもありませんでした。
Protonはもう一度聴いてみたいですね。
Blue Moonの詳細な試聴結果については以下の記事を参考にしてください。
Effect Audio ARES II
ARES IIは一聴して気に入りました。
全体的な底上げが出来ているのと、リスニング向けの音が得意です。
解像度はそこそこの底上げですが、音場が広がり立体的な音空間の表現がうまいという印象です。
Effect Audio EROS
EROSは銀と銅素材を使用したハイブリッドケーブルです。
ARES IIに比べると全体的にメリハリが出ます。特に高域の解像度が上がり、音をより細かく聴くことが出来ますが、少し聴きづらいと感じることもありました。
わずかな違いですが、ARES IIとは声質が違う音が出るなと感じます。
Effect Audio THOR COPPER
THOR COPPERは銅線のみを使用したケーブルです。
こちらもリスニング向けの音ですね。
ARES IIと似たような音でしたが、解像度の点ではARES IIよりも落ちると感じました。
悪いケーブルではありませんが、ARES IIを聴いた後だと手を出しづらいです。(笑)
Effect Audio ARES II+
最後にギリギリ予算内のARES II+を試聴しました。
ARES II+はARES IIをさらにリスニング寄りにした音でした。
特に高域がまろやかになり、ひとつひとつの音の角が丸くなるという感じですね。
かといって解像度が損なわれることもないので、ひとつひとつの音は細かく聴くことが出来ます。非常に優れたケーブルと感じました。
ARES IIとARES II+の試聴については以下の記事を参考にしてくださいませ。
次ページに続きます。
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